中国・ミャンマー関係 共有未来の共同体を深化へ 王毅外相が呼びかけ
中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は、中国雲南省安寧市でミャンマーのタン・スエ外相と会談し、国交樹立75周年を迎えた中国・ミャンマー両国の関係を「共有未来の共同体」として一段と深めていく方針を確認しました。国境の安定や越境犯罪への対処など、地域の安全保障にも関わる国際ニュースです。
雲南省安寧で外相会談 「共有未来の共同体」を呼びかけ
会談は木曜日、雲南省安寧市で行われ、王毅氏は中国共産党中央政治局委員も務める立場から、中国・ミャンマー関係の重要性を強調しました。王毅氏は、2025年が両国の国交樹立75周年にあたると述べ、この節目を機に「中国・ミャンマーの共有未来の共同体(コミュニティ)」の構築をさらに推し進め、双方の発展と振興に貢献すべきだと呼びかけました。
ここでいう「共有未来の共同体」とは、互いの安全や経済発展を支え合い、長期的なパートナーとして協力関係を深めていくという考え方を指します。
中国側が示した3つのメッセージ
王毅氏は会談で、ミャンマーに対して次のような立場を示しました。
- 独自の発展路線を支持:ミャンマーが自国の国情に合い、人びとの支持を得た発展の道を追求することを支持する。
- 主権・独立・統一を尊重:ミャンマーの主権、独立、国家の統一の維持を支持すると明言し、内政面での立場を尊重する姿勢を示した。
- 安全確保と越境犯罪対策を要請:ミャンマー国内で活動する中国の人員や機関、プロジェクトの安全を着実に確保するよう求めるとともに、越境犯罪の取り締まりを強化し、中国・ミャンマー国境の平和と安定を維持してほしいと伝えた。
越境犯罪には、国境をまたいだ詐欺や密輸、人身売買などが含まれます。王毅氏があえてこの点に言及したことは、国境地帯の治安と、中国企業や関係者の安全が中国側にとって重要な懸案であることを示しています。
ミャンマー側は「一つの中国」の立場を再確認
会談に出席したミャンマーのタン・スエ外相は、中国雲南省で開かれている第10回ランカン・メコン協力(LMC)外相会合に参加するため訪中しており、その機会に中国側と個別会談を行いました。
タン・スエ氏は、中国に対し次のような姿勢を示しました。
- 「一つの中国」原則への支持:ミャンマーは一貫して「一つの中国」原則を堅持すると表明。
- 中国の三つのグローバル・イニシアチブを支持:中国が国際社会に提案している三つのグローバル・イニシアチブへの支持を表明。
- 経済・社会発展への支援に謝意:ミャンマーの経済・社会発展や、災害後の復興をめぐって中国が行ってきた支援に対し、感謝の意を示した。
ミャンマー側の発言は、中国との関係を外政・経済の両面で重視し、今後も協力を深めていく意向を明確にしたものだと言えます。
ランカン・メコン協力とは何か
今回の会談は、第10回ランカン・メコン協力(LMC)外相会合の開催とあわせて行われました。LMCは、中国とメコン川流域の国々が参加する地域協力の枠組みで、水資源、インフラ、貿易、人的交流など幅広い分野での連携を進めています。
中国雲南省で開かれた今回の外相会合に合わせ、中国とミャンマーが二国間の関係について突っ込んだ議論を行ったことは、地域協力と二国間協力が一体として進められていることを示しています。特に、国境をまたぐインフラ整備や経済回廊の構想などは、中国・ミャンマー双方にとって重要なテーマとなっています。
なぜ今、この会談が重要なのか
今回の中国・ミャンマー外相会談は、次のような点で注目されます。
- 国交樹立75周年という節目:長期的な関係を持つ両国が、節目の年に今後の方向性を確認したことは、地域秩序の安定にもつながります。
- 国境の治安と越境犯罪への対応:越境犯罪の取り締まり強化は、中国・ミャンマーだけでなく、周辺地域の安全にも影響します。オンライン詐欺など、国境を越えて被害が広がる犯罪への対処は、デジタル時代の重要な課題です。
- 地域協力とグローバル・イニシアチブの接点:ランカン・メコン協力という地域枠組みの場で、中国のグローバル・イニシアチブへの支持が再確認されたことは、中国と周辺国の連携がどのような形で国際社会に位置づけられていくのかを考えるうえで重要です。
これからの注目ポイント
今後の中国・ミャンマー関係や地域の国際ニュースを見るうえで、読者が押さえておきたい視点を整理します。
- 越境犯罪対策の具体化:共同捜査や情報共有の枠組みづくりが進むのか、実際に摘発件数が増えるのかが一つの指標になります。
- 国境地域の安定:国境地帯の治安や、難民・移動する人びとへの対応は、地域の安定と人道的課題の両面から引き続き注視が必要です。
- インフラと投資プロジェクトの行方:ミャンマーにおける中国関連プロジェクトの進展と、その安全確保の状況は、経済面と安全保障面の双方から見ていく必要があります。
中国・ミャンマー両国が「共有未来の共同体」という言葉にどのような中身を与えていくのか。2025年のこの節目の年に交わされた今回のメッセージは、今後の地域秩序を読み解くうえで、押さえておきたいニュースと言えるでしょう。
Reference(s):
Wang Yi calls for deepening China-Myanmar community with shared future
cgtn.com








