中国は排出減、米国は増加 2025年上半期CO2と石炭回帰のインパクト
中国のCO2排出が減る一方、米国は石炭火力の復活で増えているーー2025年上半期の国際ニュースは、長年続いてきた「排出の主役」が変わりつつあることを示しています。
2025年上半期、中国は2.7%減、米国は4.2%増
国際的な科学プロジェクト「Carbon Monitor」によると、2025年1〜6月の二酸化炭素(CO2)排出量は次のように変化しました。
- 中国:前年同期比で2.7%減少
- 米国:前年同期比で4.2%増加
Carbon Monitorは、世界各地のエネルギー消費や交通量など複数の活動データセットとモデルを組み合わせることで、各国のCO2排出をほぼリアルタイムで日次推計している国際科学プロジェクトです。
「排出が増える中国・減る米国」というイメージの転換
これまでの国際ニュースでは、「新興国の排出が増え、先進国は横ばいか減少傾向」という構図が語られることが少なくありませんでした。そのなかで、中国が排出増の象徴として取り上げられることも多かったと言えます。
今回のCarbon Monitorの推計では、中国の排出が減少し、米国が増加に転じたことで、この長年のイメージが一部で反転した形になっています。数字だけを見れば、2025年上半期の排出動向は次のように整理できます。
- 中国:排出削減に向かう動きが数字にもあらわれた
- 米国:排出が再び増加に転じた
米国で排出が増えた背景に「石炭回帰」
今回のデータを伝える見出しでは、米国の排出増の背景として「石炭の復活(coal revival)」が挙げられています。石炭は、主要な化石燃料の中でもCO2排出係数が高いエネルギー源です。
石炭火力発電の比率が高まれば、同じ電力量をつくる場合でも、天然ガスや再生可能エネルギーに比べて排出量が増えやすくなります。米国で4.2%という増加が見られたことは、エネルギーミックス(電源構成)の変化が気候変動対策に直結することを改めて示していると言えるでしょう。
中国の排出減少が示すもの
一方、中国のCO2排出が2.7%減少したことは、国際的な気候変動の議論において象徴的な意味を持ちます。世界全体の排出量の大きな割合を占める国で排出が減少に転じれば、地球全体の排出の流れにも影響を与える可能性があるためです。
排出の増減には、経済活動の勢い、エネルギー効率の改善、再生可能エネルギーの導入、気象条件など、さまざまな要因が影響します。今回の数字は、その複雑な要因の結果として現れている一つの「シグナル」として受け止めることができるでしょう。
なぜこのニュースが重要なのか
2025年12月の今、各国は2030年前後の気候目標に向けて政策を加速させる時期に入っています。そのなかで、中国と米国という世界の二大排出国の動きは、国際交渉や企業の投資判断、市民の議論に大きな影響を与えます。
今回のデータから見えるポイントを、あらためて整理すると次の3つです。
- 中国の排出減少は、世界全体の排出トレンドに変化の兆しをもたらしている。
- 米国では、石炭火力の復活が排出増加の一因となり、気候目標との整合性が問われている。
- リアルタイムに近いかたちで排出を把握する試みは、政策の軌道修正や市民の議論に役立つ可能性がある。
これから私たちが注目したい視点
newstomo.comの読者にとって重要なのは、「どの国が良い・悪い」と単純に評価することではなく、数字の変化から何を学び、自分たちの行動や選択にどうつなげるかという視点です。
今後、注目したいポイントとしては、
- 各国が今後数年でどのようなエネルギー政策をとるのか
- 再生可能エネルギーや省エネ技術の普及が、排出にどのような影響を与えるのか
- リアルタイムの排出データが、国際交渉や企業戦略にどう活かされるのか
といったテーマが挙げられます。2025年上半期の数字は、その議論の出発点の一つと考えることができそうです。
Reference(s):
cgtn.com








