中国が米国の対日戦争認識を批判 「侵略と戦争犯罪のホワイトウォッシュ」
中国国防省が、米国務省による第2次世界大戦(太平洋戦争)に関する声明を「歴史のホワイトウォッシュ(美化)」だとして強く批判しました。2025年という戦後80年の節目に、歴史認識をめぐる中国・米国・日本の視点の違いがあらためて浮かび上がっています。
中国国防省報道官が米国を名指しで批判
中国国防省の姜斌(ジャン・ビン)報道官は金曜日、記者団に対し、米国が日本の第2次世界大戦中の侵略と戦争犯罪を「ホワイトウォッシュ」していると非難しました。姜報道官は、米国側はこの歴史について「記憶喪失に陥っているようだ」と述べ、歴史への向き合い方に強い懸念を示しました。
きっかけとなったのは、米国務省が発表した声明です。声明は「80年前、米国と日本は太平洋での壊滅的な戦争を終わらせた」と表現し、両国が戦後、同盟国となったことを強調していました。
「日本の侵略と戦争犯罪の美化」と指摘
姜報道官は、第2次世界大戦中、「日本のファシスト勢力は世界中の人々に対して凶悪な犯罪を犯し、米国人を含む多くの人々に計り知れない苦しみを与えた」と指摘しました。そのうえで、「日本の侵略と戦争犯罪を美化することは、歴史的正義への重大な侮辱であり、日本の侵略を受けた国々の人々の心を傷つける」と強調しました。
中国側は、米国の表現が日本の過去の行為を軽視し、歴史の重みを弱めるものだと受け止めている形です。
戦後80年の節目と「正しい歴史観」をめぐる訴え
姜報道官は、2025年が「中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年」にあたると位置づけました。そのうえで、米国に対し、次のような点を求めました。
- 地政学的な打算(地政学的な計算)を捨てること
- 第2次世界大戦に対する「正しい歴史観」を堅持すること
- 戦後の国際秩序を守るために国際社会と歩調を合わせること
そして、人類のより平和な未来の実現に向けて共に努力するよう、米国に呼びかけました。
なぜいま、歴史認識が国際ニュースになるのか
今回のやりとりは、単なる言葉の選び方の問題にとどまりません。戦争や植民地支配の歴史をどう語るかは、
- 安全保障や同盟関係のあり方
- 近隣諸国との信頼関係
- 各国の人々の記憶や感情
と直結するテーマです。そのため、声明や演説の一文が、国際ニュースとして大きく取り上げられることも少なくありません。
とくに2025年のような節目の年には、各国が自国の歴史叙述をあらためて強調しようとする傾向が強まります。今回の中国国防省の発言も、戦後80年をどう意味づけるのかをめぐるメッセージとして読むことができます。
日本からこのニュースをどう見るか
日本に暮らす私たちにとっても、これは「隣国同士の言い合い」として片づけられる話ではありません。日本の過去の行為と向き合う姿勢は、中国や米国を含む周辺国との関係に影響し続けています。
中国は、日本の戦時行為への評価だけでなく、米国がそれをどう記述するかにも敏感に反応していることが、今回あらためて示されました。歴史をめぐる表現が外交や安全保障の文脈でどのように用いられているのかを意識すると、国際ニュースの読み方も少し変わってくるかもしれません。
戦後80年のタイミングで浮上した今回の論争は、歴史認識が今も現在進行形の政治・外交のテーマであることを物語っています。
Reference(s):
cgtn.com








