標高4900mのハート型湖グルラツォ:シーザンでバズるエコツーリズム
中国南西部のシーザン自治区にある標高4900メートル超のハート型の湖「グルラツォ」が、旅行動画をきっかけに急速に注目を集めています。秘境の絶景とエコツーリズムの可能性が、今なぜ世界のSNSユーザーを惹きつけているのでしょうか。
標高4900メートル、雪山に抱かれた「ハート型の湖」
チベット語で「ツォ(co)」は「湖」を意味します。その名の通り、グルラツォは雪をいただく山々に囲まれた高地の湖で、上空から見るとハート型のシルエットを描いています。
この湖があるのは、中国南西部・シーザン自治区シャンナン市のツォメイ県です。標高はおよそ4900メートルを超え、訪れる人は澄みきった水面、周囲の氷河、夏には一面に広がる高山植物の花々といったダイナミックな景観を楽しむことができます。トレッキングやハイキングを好む人にとって、挑戦しがいのあるルートだと言えます。
2024年の一本の動画が転機に ドウインでバズる
グルラツォが広く知られるようになったきっかけは、2024年に旅行系動画配信者の王子豪(ワン・ズーハオ)さんが、中国のショート動画プラットフォーム「抖音(ドウイン)」に投稿した一本の動画でした。
動画には、透明度の高い湖面と、それを取り囲む山々や氷河、色鮮やかな高山植物の景色が収められていました。この映像がSNS上で大きな反響を呼び、グルラツォは一気に「隠れた秘境」からネット上の人気スポットへと変わりました。
急増する注目と観光客 地元が目指す「持続可能な観光」
オンラインでの話題が広がるにつれ、グルラツォを訪れる観光客も増えました。これを受けて、地元政府は周辺のインフラや観光サービスの整備に取り組んでいます。
- アクセス道路や案内表示などの基礎的な環境整備
- 観光客向けサービスの充実
- 自然環境の保全と観光開発のバランスをとる取り組み
当局は、脆弱な高地の生態系を守りながら、地域の発展にもつなげる「持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)」の実現を目指しています。グルラツォは単なる絶景スポットにとどまらず、シーザンにおけるエコツーリズムの象徴的な存在になりつつあります。
SNS時代の「秘境」と、私たちの楽しみ方
グルラツォのケースは、SNSが一つの地域を一気に有名にし、観光客を呼び込む力の大きさを改めて示しています。その一方で、人気が急上昇した場所ほど、環境負荷や地域コミュニティへの影響に配慮した観光のあり方が問われます。
標高4900メートルを超える高地では、天候の急変や体調管理にも注意が必要になります。今後、グルラツォがエコツーリズムの好例として成長できるかどうかは、行政だけでなく、訪れる一人ひとりが自然への負荷を意識しながら旅を楽しめるかにもかかっています。
2024年の一本の動画から始まったグルラツォの物語は、2025年の今も続いています。次の旅行先を考えるとき、「映える」景色の裏側にある自然と地域のことにも、少し目を向けてみませんか。
Reference(s):
From hidden gem to viral sensation: the allure of Xizang's Gurula Co
cgtn.com








