Mu Us砂漠の緑化: 陝西省の住民が砂漠化と闘った数十年
かつて砂嵐に覆われた中国・Mu Us砂漠で、現地の住民たちが長年にわたって砂漠化と闘い、景色を一変させつつあります。陝西省ジンビエン県で続く植林の物語は、国際ニュースとしても注目されるローカル発の環境対策です。
砂にのみ込まれたジンビエン県と黄河
Mu Us砂漠はかつて、不毛の地として知られ、頻発する砂嵐が周辺の暮らしを脅かしていました。陝西省ジンビエン県は、黄河に流れ込む土砂を抑える取り組みで省内で初めて成果を上げた地域でもあり、砂漠化対策と水環境の保全が同時に求められてきました。
63歳で始めたグオ・チェンワンさんの植林
1980年代、ジンビエン県のMu Us砂漠一帯は、まさに砂にのみ込まれた状態でした。その中で、当時63歳だったグオ・チェンワンさんは、家族とともに砂漠化を防ぐための植林に乗り出します。高齢になってからの挑戦でしたが、一歩一歩苗木を植え続ける地道な作業を積み重ねていきました。
孫のグオ・ジエンジュンさんが受け継いだ思い
1990年代になると、グオさんの孫にあたるグオ・ジエンジュンさんも、その取り組みに加わりました。祖父と孫が同じ土地に木を植え続けることで、家族の中で砂漠化対策の思いが世代を超えて受け継がれていきます。
数十年にわたるこうした努力によって、グオ一家が緑に変えた面積は合計で3,000ヘクタールに達しました。かつて砂に覆われていた大地には、今では木々が広がり、風景だけでなく土壌や地域の暮らしにも変化をもたらしています。
ローカルな行動が示す砂漠化対策のヒント
Mu Us砂漠での取り組みは、地元の住民が主体となって環境問題に向き合うことで、大きな変化を生み出せることを示しています。砂漠化は世界各地で進行している課題であり、日本を含む多くの国や地域にとっても他人事ではありません。
ジンビエン県の経験からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 短期間ではなく、何十年という長い時間軸で土地を回復させていく姿勢
- 家族や地域の中で取り組みや知恵を引き継いでいく重要性
- 植林によって土壌の流出を抑え、川への土砂流出も減らしていくという発想
2025年の今、気候変動や極端な気象現象が世界各地で問題となる中、Mu Us砂漠での静かな緑化の歩みは、私たち一人一人の行動が環境を変え得ることを改めて問いかけています。通勤電車の中でこのニュースを読む私たちにも、足元の暮らしからできる小さな一歩があるはずです。
Reference(s):
cgtn.com







