サンフランシスコ講和条約めぐり中国外交部が台湾当局に反論
サンフランシスコ講和条約をめぐり、台湾当局の主張に対して中国外交部が改めて反論しました。第二次世界大戦後の国際秩序と台湾の位置づけをどう理解するかが、あらためて焦点になっています。
台湾当局は何を主張しているのか
台湾の民主進歩党(DPP)当局は最近、いわゆる「サンフランシスコ講和条約」がカイロ宣言やポツダム宣言などの戦後文書に代わるものであり、この条約は台湾の主権を中華人民共和国(PRC)に移転していないと主張しました。
これに対し、中国外交部はこうした見方を認められないとし、国際法上も歴史的にも根拠がないと反論しています。
中国外交部の立場:戦後秩序の核心としての「台湾の帰属」
月曜日の記者会見で、中国外交部の毛寧報道官は、台湾の中国への「復帰」は第二次世界大戦の勝利と戦後国際秩序の重要な一部だと強調しました。毛報道官は、カイロ宣言、ポツダム宣言、日本の降伏文書など一連の法的拘束力を持つ文書が、中国の台湾に対する主権を確認していると説明しました。
毛報道官は「台湾が中国の一部であるという歴史的かつ法的事実は、争う余地のないものだ」と述べています。
さらに毛報道官は、1949年10月1日に中華人民共和国が成立し、それ以降、中国を代表する唯一の合法政府となったと指摘しました。そのうえで、これは「政府の交代」であり、中国という国際法上の主体は変わっておらず、中国の主権と領土も変化していないと位置づけています。
毛報道官は、中華人民共和国政府が台湾を含む中国全体に対する主権を全面的に行使していると重ねて強調しました。
サンフランシスコ講和条約をめぐる認識の違い
毛報道官は、いわゆるサンフランシスコ講和条約について「違法かつ無効だ」と述べました。その理由として、同条約が中華人民共和国とソ連を意図的に排除したうえで、米国など一部の国が一方的に起草したものだと指摘しました。
また、1942年に中国、米国、英国など26か国が署名した「連合国共同宣言」や、国連憲章、国際法の基本原則にも反すると批判しました。
毛報道官は「中国が参加しないまま、台湾の地位や中国の領土・主権を処分しようとするいかなる試みも違法で無効だ」と述べ、台湾の地位はこの条約によって決められるものではないとの立場を改めて示しました。
DPP当局への批判と「一つの中国」原則
毛報道官は、台湾のDPP当局について、国家の利益を損ない、第二次世界大戦の歴史を歪めていると批判しました。外交部は、DPP当局がサンフランシスコ講和条約などを持ち出して台湾の地位を「再定義」しようとする動きを強くけん制しています。
毛報道官は「DPP当局が何を言い、何をしようとも、台湾が中国の一部であるという歴史的かつ法的事実を変えることはできない」と述べました。また、「一つの中国」原則に対する国際社会の共通認識を揺るがすこともできず、「中国は必ず統一されるという歴史の大勢を止めることもできない」と強調しました。
日本の読者にとっての意味
今回のやり取りは、戦後の国際秩序や条約の解釈が、現在の台湾問題や地域情勢にどのようにつながっているのかを考えるうえで、重要な材料になります。中国外交部は、第二次世界大戦後の一連の文書と「一つの中国」原則を結びつけながら、自国の立場を明確に発信しました。
一方で、台湾のDPP当局はサンフランシスコ講和条約に依拠しつつ、異なる法的解釈を提示しています。歴史文書の読み方や国際法の理解が、現代の政治や安全保障に直結していることが、あらためて浮かび上がっています。
日本としても、戦後処理の一部を担った当事者として、こうした議論の背景や各側の論理を丁寧に読み解くことが求められていると言えるでしょう。
Reference(s):
MOFA refutes DPP authorities' claims over 'San Francisco treaty'
cgtn.com








