中国・湛江のマングローブ 嵐から海辺を守る緑の要塞
中国南部・広東省湛江の沿岸では、潮の満ち引きに合わせてマングローブの森が静かに揺れています。この国際ニュースの主役は、巨大な開発ではなく、嵐の波からまちを守り、多様な生き物を育む緑の要塞です。
南中国の海辺に広がるマングローブの森
南中国の広東省湛江は、温暖な気候と入り組んだ湾を持つ沿岸都市です。潮が押し寄せる干潟には、背の高いマングローブが連なり、海と陸とのあいだに厚い緑の壁をつくっています。
干潮時には太い根が網のように姿を現し、満潮になると幹の半分ほどまで海水に浸かります。潮のリズムに合わせて呼吸するその姿は、まさに潮の守護者を思わせます。
嵐から人と暮らしを守る緑の要塞
マングローブの森は、台風や強い季節風が運んでくる高い波を和らげる役割を果たします。複雑に張り巡らされた根や幹が波のエネルギーを吸収し、背後の集落や農地への被害を小さくしてくれます。
同時に、マングローブの根元には泥や砂がたまりやすく、海岸線が削られるのを防いでいます。湛江のような沿岸部にとって、こうした自然の防波堤は、防災と暮らしの安心を支える大切な存在です。
いのちの交響曲を奏でる生き物たち
マングローブの森は、さまざまな生き物が集まるゆりかごでもあります。枝には鳥がとまり、根元ではカニや貝が動き回り、その間を小さな魚が行き来します。
満潮と干潮が入れ替わるたびに、森の風景も音も変わります。鳥のさえずり、カニが砂をかく音、波が根を洗う水音が重なり合い、いのちの交響曲のような世界が広がります。
こうした豊かな環境は、近くの海で育つ魚やエビの成長にもつながり、地域の漁業や食文化を静かに支えています。
気候変動の時代に高まるマングローブの価値
世界各地で気候変動の影響が意識されるなか、湛江のマングローブのような沿岸の森は、その価値を増しています。防災に役立つだけでなく、樹木や土壌に多くの炭素を蓄え、温室効果ガスを減らす手助けをしているとされています。
海面上昇や強まる暴風雨から暮らしを守りながら、地球温暖化の抑制にも貢献する存在として、マングローブをどう守り、次の世代につないでいくかが問われています。
海とともに生きるためのヒント
湛江のマングローブの物語は、海に囲まれた日本の私たちにとっても無関係ではありません。人工の構造物だけに頼るのではなく、自然の力を活かして災害リスクを減らすという発想は、多くの沿岸地域に共通する課題と可能性を示しています。
通勤途中に海を見るとき、ニュースで台風の進路を追うとき、その背後で静かに波を受け止めているマングローブのような存在に思いを馳せてみることも、一つのきっかけになるかもしれません。
潮の満ち引きの中で揺れる緑の森は、人と自然がともに生きるためのヒントを、今日も静かに語りかけています。
Reference(s):
cgtn.com








