中国シーザン自治区、民生プロジェクトに追加20億元 医療・子育てを強化
中国南西部のシーザン自治区が、2025年の民生(暮らし向上)プロジェクトに追加で20億元(約2億8,040万米ドル)を投じる方針を明らかにしました。医療や子育て、高齢者ケアなど、住民の生活に直結する10の新規施策が予定されています。
追加20億元で10の新規民生イニシアチブ
シーザン自治区政府によると、今回の20億元の追加支出は、新たに10本の民生イニシアチブを立ち上げるために充てられます。これらは、所得向上、子育て支援、高齢者ケア、医療サービスの改善などに焦点を当てています。
こうした新規プロジェクトは、2025年を通じて実施されている既存の28件の福祉プロジェクトを補完する位置づけです。既存プロジェクトにはすでに148億元が計上されており、今回の追加措置によって、民生関連の財政投入は一段と厚みを増すことになります。
医療・子育て・高齢者を支える主な施策
今回発表された10の施策のうち、主な内容は次のとおりです。
- 新生児向け医療保険の無償化
- 3歳未満の子どもがいる家庭への保育・育児補助金
- 低所得世帯を対象とした冬季暖房補助
- 事故傷害保険の給付額引き上げ
- 基礎年金の増額
- 高地で働く労働者への健康診断の充実と暖房手当の拡充
新生児から子育て期、高齢期、さらに高地で働く人々の健康まで、ライフステージごとのリスクに対応するメニューが並びます。生活の不安を減らし、安心して働き暮らせる環境づくりを後押しする狙いがうかがえます。
7施策は全住民対象、3施策は重点支援
自治区政府によると、10本のイニシアチブのうち7本は、住民全体を対象とした普遍的な制度として設計されています。所得や職業にかかわらず広く恩恵が行き渡るタイプの施策です。
一方、残る3本は、社会的に脆弱な立場にある人々や、社会への貢献が顕著な人々など、特定のグループを対象とした重点支援策とされています。限られた財源を、支援ニーズの高い層にも振り向ける構えです。
背景にある民生優先の財政運営
シーザン自治区は近年、住民の急ぎかつ困難な生活課題に対応することを優先し、実務的な民生プログラムの企画と実施を続けてきたとしています。
自治区によれば、2021年以降、毎年の財政支出の80%超が公共福祉や社会保障などの民生分野に充てられてきました。2021年から2024年までの民生関連支出は累計で8601億元に達し、2024年単年でも2455億元を計上しました。
2024年の民生支出は、シーザン自治区の財政予算全体の84%を占め、過去最高の割合となりました。生活関連分野への配分を増やしてきた流れの延長線上に、今回の追加20億元と10の新規イニシアチブが位置づけられます。
2025年のシーザンを見る一つのレンズに
医療、子育て、高齢者ケア、そして高地で働く人々の健康といった分野への投資は、地域社会の安心感や所得水準にどのような変化をもたらすのでしょうか。2025年のシーザン自治区の動きは、中国の地域レベルの民生政策を読み解くうえでも注目すべき国際ニュースと言えます。
暮らしにどれだけの実感を伴うのか、来年以降の継続性も含めて、今後の展開が問われる局面に入っています。
Reference(s):
Xizang to inject additional expenditure into livelihood projects
cgtn.com








