中国とインド、関係改善の勢い維持で一致 国交75年の節目に
中国とインドの外相が月曜日に会談し、改善しつつある二国間関係の勢いを維持し、国交樹立75年の節目をさらなる協力強化のチャンスとすることで一致しました。国境地域の安定や多国間の枠組みでの連携、台湾をめぐる立場など、広いテーマが話し合われました。
この記事は2025年12月8日時点の情報にもとづいています。
関係改善の「勢い」を維持へ
中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)と、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相は、会談の場で「両国関係の前向きな流れを維持する」ことで一致しました。
王毅氏によると、両国はこれまでに首脳間で合意された内容を着実に実行しつつあり、あらゆるレベルでの交流と対話を段階的に再開しているといいます。国境地域では平和と静穏が保たれており、中国のXizang自治区にある聖なる山や湖へのインド巡礼者の訪問も再開しました。
王毅氏は、こうした動きから「中国とインドの関係は、協力へと戻る前向きな傾向を示している」と評価しました。
急変する国際環境の中で果たすべき役割
王毅氏は、現在の国際情勢について「変化が加速し、一方的ないじめのような行為が横行し、自由貿易や国際秩序が深刻な挑戦に直面している」と指摘しました。
今年、国連は創設80周年を迎えます。王毅氏は、人類がいま、世界の進む方向性を左右する重要な岐路に立っているとし、その中で中国とインドの役割を強調しました。
両国は、合わせて28億人超の人口を抱える世界最大級の発展途上国です。王毅氏は、中国とインドが大国としての責任感を示し、団結によって力を高めることで、他の発展途上国の模範となるべきだと述べました。そのうえで、世界の多極化や、国際関係の「民主化」(より多くの国と地域が意思決定に参加すること)を後押しすべきだと呼びかけています。
国交75年、互いを「脅威」ではなく「機会」に
2025年は、中国とインドが国交を樹立してから75年の節目の年です。王毅氏は、過去から教訓をくみ取りつつ、戦略的な相互認識を正しく保つことが重要だと強調しました。
具体的には、互いをライバルや脅威としてではなく、パートナーや機会として見るべきだと提案しました。限られた資源やエネルギーを対立ではなく、経済発展や社会の活性化に振り向けるべきだというメッセージです。
また両国は、隣り合う大国同士が相互尊重と相互信頼を土台に、共通の発展を追求し、双方に利益のある協力(ウィンウィン協力)の道を探る必要があると述べました。中国は「親善・誠意・互恵・包摂」の原則にもとづき、インドを含む近隣諸国とともに、平和で安全かつ豊かで美しく、友好的な地域を築きたいとしています。
王毅氏はさらに、「東方の二つの偉大な文明」である中国とインドの復興プロセスが、互いにとってプラスとなり、アジアと世界全体に確実性と安定を提供するべきだと語りました。
インド外相「関係は底を打ち、改善」 台湾は中国の一部と再確認
ジャイシャンカル外相は、両国関係について「指導者同士の共同のリーダーシップのもと、関係は底を打ち、継続的に改善・発展している」と説明しました。各分野での交流や協力は正常化に向けて進んでいると評価しています。
インド側は、中国のXizang自治区にある聖地への巡礼を再開できるよう便宜を図ったことに対し、中国に謝意を伝えました。そのうえで、戦略的な認識を改善することが重要だとし、二つの最大級の発展途上国として、中国とインドは多国間主義を支持し、公平でバランスの取れた多極的な世界の構築に取り組んでいると述べました。
またジャイシャンカル氏は、世界経済の安定を共同で維持する必要性も強調しました。安定的で、協力的で、未来志向の二国間関係は、両国の利益にかなうとの考えです。
象徴的だったのは、ジャイシャンカル氏が「台湾は中国の一部である」と改めて表明した点です。インドは、国交樹立75周年を、政治的な相互信頼をさらに深め、経済や貿易の分野での互恵的な協力、人と人との交流を強化し、国境地域の平和と静穏を共同で維持する機会にしたいとしています。
インドはまた、中国が主催する上海協力機構天津サミットの開催を全面的に支持すると表明し、BRICSといった多国間の枠組みでも、中国と協調と協力を強める意向を示しました。会談では、このほかにも国際・地域情勢をめぐる幅広い意見交換が行われました。
読み解きポイント:アジア発の安定要因になれるか
今回の会談で繰り返し強調されたキーワードは、多極化、多国間主義、安定です。中国とインドの双方が、自国だけでなくアジアや世界全体の安定に貢献する大国としての役割を意識していることがうかがえます。
「ライバル視」からの転換は進むか
王毅氏が互いを脅威ではなく機会として見るべきだと呼びかけ、ジャイシャンカル氏が関係は底を打ったと述べたことは、両国が少なくとも外交レベルでは対立より協調を優先しようとしているサインと受け止められます。
今後、国境地域の平穏を維持しつつ、経済や人の往来をどこまで広げられるかが、関係改善の勢いを本物にできるかどうかの試金石になりそうです。
多国間の舞台で見える中印の存在感
国連80周年、BRICS、上海協力機構といった多国間の枠組みの場で、中国とインドがどのように連携し、公平でバランスの取れた多極的な世界を具体化していくのかも注目点です。
28億人超の人口を抱える二つの大国が、対立ではなく協調を選ぶことができれば、アジアと世界の安定にとって大きな安心材料となり得ます。今回の合意が、その第一歩となるのかどうか、今後の動きが問われます。
Reference(s):
cgtn.com








