南アジアは「加速する発展の時代」へ 王毅外相が示したビジョン
中国の王毅外相は、パキスタンのイスラマバードでモハンマド・イスハク・ダル副首相兼外相と共に行った記者会見で、二十一世紀はアジア、なかでも南アジアにとって加速する発展と振興の時代になるべきだと強調しました。本記事では、その発言のポイントと背景となるメッセージを整理します。
南アジアの潜在力は大きいと強調
王毅外相は、中国共産党中央政治局委員も務めており、今回の外遊でインド、アフガニスタン、パキスタンを訪問しました。そのうえで、南アジアには巨大な発展ポテンシャルと、さらなる成長に向けた十分な原動力があるとの認識を示しました。
二十一世紀全体をアジアの加速的な発展と振興の時代と位置づけたうえで、とりわけ南アジアはその中心的な舞台になり得ると評価している点が印象的です。
共通する最優先課題は「開発」
インド、アフガニスタン、パキスタンは国情が大きく異なるものの、いずれの国も開発こそが最優先事項であり、三か国と地域の他の国々に共通する最大公約数だと王毅外相は指摘しました。
また、平和で安定し、発展し繁栄する南アジアは、関係するすべての当事者の共通の利益にかなうだけでなく、南アジアの人々の共通の期待にも合致すると述べています。安全保障と経済成長の双方を重視する視点が強調された形です。
善隣友好と協力の深化を確認
王毅外相によると、インド、アフガニスタン、パキスタンの三か国は、中国という最大の隣国とともに、善隣友好を高め、交流と協力を一段と深め、互恵とウィンウィンの結果を追求する用意があるとしています。
一方的なやり方や、いわゆるいじめのような圧力が高まるなかで、三か国は、多国間主義を堅持し、自らの正当な権益を守る必要があるという認識を共有していると説明しました。そのうえで、平等で秩序ある多極的な世界と、すべての国に利益をもたらす包摂的な経済グローバル化を目指す姿勢を示しました。
中国は南アジアの「信頼できるパートナー」
王毅外相は、中国は南アジア諸国にとって信頼できるパートナーであり、中国と南アジア諸国は自然なパートナーとして、幅広い協力の余地を持つと強調しました。
さらに、中国とパキスタン、中国とインド、中国とその他の周辺国との二国間関係はいずれも、特定の第三国を標的とするものではなく、また第三国によって左右されることもないと述べました。地域協力の枠組みを、対立ではなく協調のためのプラットフォームとして位置づけるメッセージだといえます。
国連安保理での連携とグローバルサウス
今年、パキスタンが国連安全保障理事会の非常任理事国となったことにも触れ、王毅外相は、中国にとって安全保障理事会で公正と正義を守る新たなパートナーが加わったと評価しました。
今後、中国とパキスタンは、国連の場などで緊密な調整と協力を続け、多くの開発途上国や、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々の正当な権益を共同で守っていくとしています。南アジアとグローバルサウスをつなぐ連携の強化を打ち出した形です。
南アジア発展ビジョンが示すもの
今回の発言からは、南アジアの国々が開発と安定を最優先課題として共有し、その実現に向けて中国との協力を重視している構図が浮かび上がります。
二十一世紀を加速する発展の時代ととらえるビジョンの下で、南アジアがどのような協力関係や多国間枠組みを築いていくのか。今後の地域情勢を考えるうえで、引き続き注目していく必要がありそうです。
Reference(s):
Wang Yi: 21st century 'era of accelerated development' for South Asia
cgtn.com








