青海・シーザン高原で進む第2次科学観測 氷河の氷コアが語る地球の物語
氷河の物語を記録する青海・シーザン高原の国際共同調査
中国と海外の研究者たちは、過去8年にわたって青海・シーザン高原で第2次科学観測を続けています。この国際ニュースの舞台となっている調査の中心にあるのが、地球の気候や環境の変化を読み解く鍵となる「氷河の氷コア」の研究です。
2017年に始まった第2次青海・シーザン高原科学観測
中国では2017年半ばから、第2次青海・シーザン高原科学観測が始まりました。調査の目的は、ここ数十年にわたる気候、生物多様性、環境の変化を総合的に明らかにすることです。
この8年間、中国と海外の研究チームは次のようなテーマに取り組んできました。
- 高原の氷河の変化
- 気候変動の影響
- 生物多様性と生態系の変化
こうした長期の観測が、地球規模で進む気候や環境の変化を理解するうえで、重要な基盤になりつつあります。
氷コアとは何か 地球の過去を閉じ込めたタイムカプセル
この科学観測の柱のひとつが、氷河から採取される氷コアの研究です。氷コアとは、氷河に縦に穴を開けて円柱状にくり抜いた「氷の柱」のことを指します。
青海・シーザン高原の氷河から取り出された氷コアは、地球の気候と環境の変化を調べるうえで欠かせない資料です。氷が積み重なってできた層は、数百万年にわたる気候の変遷を連続的に記録しているとされています。
厚い氷コアほど長い時間を語る
中国科学院チベット高原研究所の徐柏青(シュー・バイチン)副所長は、氷コアの厚さが持つ意味について次のように説明しています。
「氷コアが厚くなればなるほど、その中に収められた時間の幅は長くなります。さらに、その厚さは、青海・シーザン高原の氷河の起源や進化など、重要な科学的疑問に答え得る古い氷が存在することを示している可能性があります。」
厚い氷コアほど、過去のより長い期間をカバーし、氷河そのものの成り立ちや地球環境の変化に関する新しい手がかりを与えてくれるのです。
ラサに集められた12の氷河からのメッセージ
中国南西部のシーザン自治区の中心都市ラサには、中国科学院チベット高原研究所があります。同研究所には現在、青海・シーザン高原の12の異なる氷河から採取された氷コアが保管されています。
- 氷コアの合計長さ:3,323メートル
- 採取された氷河の数:12
- 保管場所:中国科学院チベット高原研究所(ラサ)
これらの氷コアは、青海・シーザン高原に広がる氷河の「代表選手」とも言える存在です。それぞれの氷河で起きてきた変化を比較することで、高原全体の気候や環境の変動を、より立体的に描き出すことができます。
氷河の物語を社会に伝えるという使命
今回の第2次科学観測は、単に専門家のためのデータを集めるだけのプロジェクトではありません。氷河の氷コアが語る物語を通じて、地球の気候や環境がどのように変化してきたのかを、社会にわかりやすく伝える役割も担っています。
青海・シーザン高原の氷河は、地球の高みにある記録係のような存在です。そこから読み取られる過去の変化を知ることは、これからの地球環境を考えるうえで、私たち一人ひとりにとっても重要なヒントになります。
2017年から続くこの長期観測は、2025年の今も進行中です。氷河に刻まれた静かな記録が、これからどのような新しい知見をもたらすのか。青海・シーザン高原から届けられる「氷の物語」に、今後も注目が集まりそうです。
Reference(s):
Qinghai-Xizang Plateau expedition aims to tell the story of glaciers
cgtn.com








