中国の対外貿易、2025年も成長継続へ 商務省が自信示す
世界の貿易不安が続く中、中国商務省は対外貿易の安定成長と質の向上を維持できると自信を示しました。今年1〜7月の貨物貿易総額は25.7兆元(約3.6兆ドル)と、前年同期比3.5%増となっています。
中国商務省「対外貿易の安定成長に自信」
中国商務省は、最近の記者会見で、今後も対外貿易の安定的な成長と質の向上を進めていく体制が整っていると強調しました。担当者によると、中国は「自国のことをしっかり行う」ことで、外部環境の不確実性に対応していく考えです。
商務省の報道官である何勇倩(He Yongqian)氏は、世界経済と貿易の動向について、依然として大きな不確実性が存在すると指摘しました。そのうえで、中国は高品質な発展を軸に、対外貿易の成長を安定させていく方針を示しています。
関税障壁と世界貿易の不確実性
何氏によれば、複数の国際機関は、近年の関税障壁の拡大が世界の貿易コストを大幅に押し上げていると分析しています。こうした関税措置は、各国の企業や消費者にとって、次のような影響を与えやすいと考えられます。
- 輸出入コストの上昇により、製品価格や利益率が圧迫される
- 企業が調達先や販売先を見直す必要に迫られ、サプライチェーンの再構築が進む
- 予見しづらい貿易ルールの変化が、投資や長期契約の判断を難しくする
商務省は、こうした関税障壁が世界の産業チェーン・サプライチェーンの効率と安定性を損ない、世界貿易全体の下押し要因になっていると懸念を示しています。
「高水準の対外開放」で不確実性に対応
このような環境の中で、中国は「高水準の対外開放」を一貫して推進していく姿勢を改めて打ち出しました。高水準の対外開放とは、単に市場を開くというだけでなく、貿易や投資の制度面を整え、透明性と予見可能性を高めることを含む幅広い取り組みを指します。
中国商務省は、高品質な発展を通じて、外部の不確実性に「確実性」で応えると説明しています。つまり、国内経済と対外貿易の基盤を強化することで、世界経済の変動の中でも安定した成長を維持しようとする考え方です。
また中国側は、より多くの貿易相手と協力し、共通の課題に対応しながら発展の機会を分かち合う用意があるとしています。これは、保護主義が強まる局面においても、国際協調と貿易の開放性を重視する姿勢を示すものだと言えます。
2025年1〜7月の貿易データ:25.7兆元、3.5%増
中国税関総署のデータによると、2025年1〜7月の貨物貿易総額は25.7兆元(約3.6兆ドル)となり、前年同期比で3.5%増加しました。これは、世界の需要が不安定な中でも、対外貿易がプラス成長を維持していることを示しています。
また、この伸び率は、2025年上半期(1〜6月)と比べて0.6ポイント加速しているとされます。成長ペースがやや高まっている点は、中国の対外貿易が年の前半から夏場にかけて持ち直しの動きを見せた可能性をうかがわせます。
日本やアジアの読者にとっての意味
今回の発表は、日本を含むアジアの企業や投資家にとって、いくつかの示唆を与えています。
- 世界的に関税障壁が高まる中でも、中国市場との貿易は一定の成長を続けているため、サプライチェーン戦略の見直しでは「リスク分散」とともに「機会の活用」の両方を考える必要があります。
- 中国が高品質な発展と高水準の対外開放を掲げていることは、今後、製造業だけでなくサービスやデジタル関連分野でも、新たな協力の余地が広がる可能性を示しています。
- 貿易コストや関税環境が変化しやすい今だからこそ、各国の政策発表や統計データを継続的にフォローし、自社の輸出入・投資戦略を柔軟にアップデートすることが重要になります。
世界の貿易秩序が揺れる中で、中国の対外貿易政策と実際の貿易データは、2025年以降のグローバル経済を読み解くうえで引き続き重要な指標となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








