中国、731部隊文書公開受け日本に歴史の深い反省を要求
ロシア政府による旧日本軍731部隊関連文書の公開を受け、中国外交部は日本に対し「歴史の深い反省」を改めて求めました。今年(2025年)は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年の節目でもあり、歴史認識をめぐる動きが国際ニュースとして再び注目されています。
ロシアが公開した731部隊関連文書
中国外交部の毛寧報道官は木曜日の定例記者会見で、ロシア政府が最近機密扱いを解除し公開した旧日本軍731部隊に関する文書についてコメントしました。731部隊は、第二次世界大戦中に日本軍が運用した細菌戦部隊で、中国を占領した地域で細菌兵器の使用や生体実験などの行為に関わったとされています。
毛報道官によれば、当時の日本軍は中国において細菌兵器を用いた戦争行為や、人間を対象とした非人道的な実験を行い、国際法に明確に反する「極めて重大な人道に対する罪」を犯したとされています。ロシア当局が開示した今回の文書は、日本の軍国主義による細菌戦の事実を裏づける「反論の余地のない証拠」を、改めて示すものだと中国側は強調しました。
中国外交部「歴史を直視してこそ未来を切り開ける」
毛報道官は、日本に対し自国の「侵略の歴史」を深く反省し、中国人民や他の被害国の人々の感情を真摯に尊重するよう求めました。そのうえで、歴史にどう向き合うかが、国と国との関係や国際社会からの信頼に直結すると指摘しています。
発言の中で、毛報道官は次の三つの点を繰り返し強調しました。
- 歴史を正面から見つめてこそ、他者からの尊敬を得ることができる。
- 歴史を「鏡」として振り返ることで、はじめて未来を切り開くことができる。
- 過去を記憶し続けることによって、同じ誤りの繰り返しを防ぐことができる。
こうしたメッセージは、過去の行為に対する認識だけでなく、それをどう現在と未来の行動につなげていくのかという、中国側の問題意識を映し出していると言えます。
戦後80年の節目に向けられたメッセージ
毛報道官は、今年が中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年にあたることに触れました。第二次世界大戦の終結から80年という時間が経過した今も、戦争の記憶と教訓をどう継承するかは、アジアと世界共通の課題となっています。
そのうえで中国側は、日本が「軍国主義と完全に決別し、その有害な遺産を取り除き、歴史の過ちを繰り返さない」よう、具体的な行動をとるべきだと求めています。単なる言葉だけでなく、歴史への向き合い方を実際の政策や行動で示すことが重要だというメッセージです。
今回の発言が示す三つの論点
今回の中国外交部の発言からは、戦争から80年を経た今もなお、いくつかの重要な論点が浮かび上がります。
- 戦争犯罪の記録をどう位置づけるか
ロシアが公開した731部隊関連文書は、過去の行為を裏づける具体的な記録として位置づけられています。文書や証言などの一次資料をどう受け止めるかは、歴史認識の土台となります。 - 被害を受けた人々の感情への配慮
毛報道官は、中国人民だけでなく「他の被害国」の感情にも言及しました。加害と被害の非対称性が残るなかで、当事者の感情をどう尊重するかは、国際関係において避けて通れないテーマです。 - 歴史を未来志向の関係づくりにどう生かすか
「歴史を鏡とする」という表現には、過去を責めたてることだけが目的なのではなく、同じ過ちを避けるための教訓として共有しようという意図もうかがえます。どのような歴史理解が、周辺国との安定した関係づくりにつながるのかが問われています。
読者に問われる視点
歴史認識をめぐる議論は、ともすれば感情的になりやすいテーマです。しかし、事実として残された記録に目を向けること、被害を受けた人々の視点を想像すること、そして過去から何を学び未来にどうつなげるかを考えることは、どの社会にとっても避けて通れません。
戦後80年という節目に、中国が日本に向けて投げかけた「歴史を直視せよ」というメッセージは、日中関係だけでなく、私たち一人ひとりが歴史とどう向き合うのかを考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
China urges Japan to deeply reflect on its history of aggression
cgtn.com







