成都ワールドゲームズ2025 マイナースポーツが主役になった理由 video poster
2025年に中国四川省・成都で開催された第12回ワールドゲームズは、オリンピックにはない競技が世界の注目を集めた大会でした。ラテンダンスの審判がSNSでバイラルになり、ドローンレースやチアリーディング、ライフセービングなど多様な競技が脚光を浴びました。2025年12月現在、その意味を改めて考えてみる価値があります。
ワールドゲームズとは?「非オリンピック種目」の世界舞台
ワールドゲームズは、オリンピックには採用されていない、いわゆるマイナースポーツや新興競技が中心となる国際スポーツ大会です。国際ニュースとしては、メダル数やビッグネームよりも「競技の多様性」そのものが主役になる点が特徴です。
成都大会でも、伝統的な球技だけでなく、ダンス、救助技術、空を駆けるドローン競技まで、さまざまな分野のアスリートが「自分たちの競技」を世界に披露しました。日本語ニュースでこれらをまとめて追える機会はまだ多くありませんが、スポーツの未来を考えるうえで見逃せない動きと言えます。
成都大会が見せた「ニッチ競技」の輝き
ラテンダンス審判がバイラルに
今回の成都ワールドゲームズで、思わぬ形で世界の注目を集めたのがラテンダンスの審判でした。演技を見つめる真剣な表情や、リズムに合わせてわずかに揺れる身体の動きが動画として拡散され、「審判まで絵になる」とSNSで話題になりました。
普段は選手に目が向きがちな競技でも、審判やスタッフの姿がクローズアップされることで、「競技を支える人」を含めた新しいファン層が生まれていく様子がうかがえます。
ドローンレース:テック世代を惹きつける新種目
ドローンレースは、カメラ付きドローンを操縦し、立体的なコースを高速で飛行させる競技です。成都大会では、光とスピードが交錯する映像映えする競技として存在感を示しました。
- 映像配信との相性が良く、オンライン観戦でも楽しみやすい
- 操縦技術と戦略性が求められ、eスポーツ的な要素もある
- 若い世代やテクノロジーに関心のある層をスポーツに引き寄せやすい
デジタルネイティブな読者にとって、ドローンレースは「最初からスマホ画面を前提に設計されたスポーツ」として、今後も注目されそうです。
チアリーディング:応援が主役になる瞬間
チアリーディングも、成都ワールドゲームズで存在感を示した競技の一つです。アクロバティックなジャンプやスタンツ(組体操のような技)、音楽に合わせた一糸乱れぬ動きは、観客の「声援」そのものをスポーツへと昇華させます。
単に強いチームを応援するのではなく、「応援する行為」と「美しい動き」が評価される点で、スポーツの楽しみ方を拡張する競技だと言えるでしょう。
ライフセービング:命を守る技術がスポーツになる
ライフセービングは、本来は水辺の事故から人命を救うための技術ですが、ワールドゲームズではそれが競技として行われました。水中での素早い移動や人形(ダミー)救助のスピードを競う種目は、単なるタイム争いにとどまらず、社会的な意味を感じさせます。
- 「速さ」と同時に「安全」や「命」をテーマにしている
- 若い世代に防災・安全への関心を喚起するきっかけになりうる
- スポーツが社会課題とつながる好例として注目できる
成都のホスピタリティと「噴水の上の炎」
成都は、中国内陸部の大都市として知られていますが、今回のワールドゲームズでは、街ぐるみで選手と観客を迎え入れるホストシティとしての顔も見せました。会場周辺のにぎわいや、ボランティアと市民が一体になった雰囲気は、国際スポーツイベントの新たなモデルケースとして語られています。
その中で忘れがたいのが、「水の噴水の上で火が燃える」という印象的な演出(あるいはハプニング)でした。水と火という相反するイメージが一つの景色に収まった瞬間の映像は、SNSで繰り返し共有され、大会を象徴するワンシーンとなりました。
こうした「一瞬の出来事」が世界中に拡散されることで、競技そのものだけでなく、開催都市の空気感や文化まで含めて記憶されるのが、2025年のスポーツイベントらしい特徴と言えます。
なぜニッチ競技にとって世界大会が重要なのか
成都ワールドゲームズのような舞台は、なぜマイナースポーツにとって重要なのでしょうか。いくつかのポイントに整理できます。
- 可視性の獲得:普段は注目されにくい競技が、国際ニュースやSNSを通じて世界に届く。
- 競技人口の拡大:短いクリップやハイライト動画をきっかけに、「自分もやってみたい」という人が増える可能性がある。
- 価値観の多様化:速さや強さだけでなく、美しさや安全、技術など、さまざまな価値を競うスポーツが認知される。
- 次のステップへの土台:将来的なオリンピック採用やプロリーグ化を目指すうえで、「国際大会での実績」は重要な材料になる。
2025年12月の今も、成都大会で存在感を高めた競技は、動画プラットフォームやSNSでじわじわと支持を広げています。ワールドゲームズは、そうした長期的な変化の「起点」として機能していると言えるでしょう。
日本の視点:私たちは何を学べるか
日本にいる私たちにとって、成都ワールドゲームズは遠い国のニュースのように見えるかもしれません。しかし、スポーツとの向き合い方を見直すヒントがいくつもあります。
- ローカルとグローバルの接続:日本各地にも、世界に知られていない競技やクラブが多数あります。それらが国際大会につながる可能性を、改めて考えるきっかけになります。
- SNS時代のスポーツ観戦:ラテンダンス審判や噴水の炎のように、「15秒のクリップ」がスポーツの入り口になる時代です。どんな瞬間を切り取るかが、競技の未来を左右するかもしれません。
- 「強さ」だけでないスポーツの価値:ライフセービングのように、社会的な意義を持つ競技に光を当てることで、スポーツが担える役割の幅が広がります。
国際ニュースを日本語で追うことは、単に世界の出来事を知るというだけでなく、「自分たちの社会や文化をどうアップデートしていくか」を考えるきっかけにもなります。成都ワールドゲームズ2025は、その良い素材の一つと言えるでしょう。
マイナースポーツのクリップを一つシェアすることが、誰かにとって新しい世界への入り口になるかもしれません。次にSNSで見かける知らない競技の動画は、「スルー」せずに少しだけ立ち止まって見てみる価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








