中国が天津で過去最大のSCOサミット開催へ 20超の国・機関首脳が集結
2025年8月末から9月初めにかけて中国・天津で予定された上海協力機構(SCO)サミットは、20を超える国の首脳と10の国際機関トップが集う、設立以来最大規模の国際会議とされています。本記事では、その概要とねらいを日本語で整理します。
天津で予定された過去最大のSCOサミット
中国外交部の劉斌外務次官補は記者会見で、2025年8月31日から9月1日にかけて天津でSCOサミット2025が開催されると発表しました。中国がSCOサミットを主催するのは5回目であり、今回は組織の設立以来、最大規模になると説明しています。
劉次官補によると、各国首脳はSCOの今後の発展に向けた青写真を描き、「SCOファミリー」と呼ばれる枠組みの中で協力のコンセンサスを築き、より緊密な「SCO運命共同体」の構築を目指すとされています。
20を超える国の首脳が招待
劉次官補は、今回のSCOサミットには20を超える国の指導者が招待されていると明らかにしました。招待されたのは、SCO加盟国やパートナー国に加え、周辺地域の重要な国々です。
具体的には、次のような国の首脳級が名を連ねています。
- ベラルーシのルカシェンコ大統領、インドのモディ首相、イランのペゼシキアン大統領
- カザフスタンのトカエフ大統領、キルギスのジャパロフ大統領、パキスタンのシャリフ首相
- ロシアのプーチン大統領、タジキスタンのラフモン大統領、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領
- モンゴル、アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、モルディブ、ネパール、トルコ、エジプト、トルクメニスタン、インドネシア、ラオス、マレーシア、ベトナムなどの指導者
ユーラシアからインド洋、東南アジアにまで広がる多様な国の首脳が一堂に会することで、地域の安全保障や経済協力をめぐる議論が幅広く行われることがうかがえます。
10の国際機関トップも参加予定
この天津でのSCOサミットには、各国の首脳だけでなく、多国間協力を担う国際機関のトップも招待されています。
招待リストには、国連のグテーレス事務総長、SCO事務総長のヌルラン・エルメクバエフ氏、SCO地域テロ対策機構の執行委員会代表、独立国家共同体(CIS)事務局、東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局、集団安全保障条約機構、経済協力機構、アジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)、ユーラシア経済委員会、アジアインフラ投資銀行(AIIB)などが含まれます。
これらの機関は、それぞれ安全保障、経済、インフラ、地域統合などを担当しており、SCOサミットが単なる地域首脳会議ではなく、より広い多国間協力のハブとして位置づけられていることが分かります。
SCOサミットで議論される三つの柱
劉次官補の説明からは、天津でのサミットには少なくとも三つの大きな柱があると読み取れます。
- SCOの将来像づくり:組織の中長期的な発展方針や協力分野の優先順位を整理し、加盟国間で共有すること。
- 協力コンセンサスの強化:安全保障、経済、文化交流など、多分野での協力の方向性について、首脳同士で認識をそろえること。
- SCO運命共同体の構築:地域の安定と発展を共通の目標と位置づけ、互いの利害を調整しながら協力を深めること。
こうした議論は、地政学的な緊張が高まるなかで、ユーラシア地域における対話と協力の枠組みをどのように維持・強化していくのかという問いとも重なります。
なぜ天津サミットが注目されるのか
今回のSCOサミットが設立以来最大規模とされる背景には、次のようなポイントがあります。
- 参加国・地域の広がりにより、エネルギー、物流、インフラなどをめぐる協力の可能性が拡大していること。
- 複数の国際機関トップが参加することで、SCOと他の多国間枠組みとの連携が一段と意識されていること。
- 各国がそれぞれの安全保障や経済戦略を模索するなかで、対話の場としてのSCOの役割が試されていること。
中国にとっても、自国で開催される大規模なサミットを通じて、多国間協力と地域の安定に貢献する姿勢を示す機会となります。
これからを考えるための視点
天津で予定されたSCOサミットは、加盟国やパートナー国がどのような優先課題を共有し、どこまで具体的な協力につなげられるのかが焦点になります。
読者の皆さんにとっては、次のような点を意識してニュースを追っていくと、SCO関連の動きを立体的に理解しやすくなります。
- どの国がどのテーマ(安全保障、エネルギー、インフラなど)で積極的な姿勢を示しているか。
- SCOと国連、ASEAN、ユーラシア経済委員会など他の枠組みとの関係がどう整理されていくのか。
- サミット後の共同声明や合意文書が、各国の実際の政策やプロジェクトにどう反映されていくのか。
一見すると遠い地域の国際会議のように思えるかもしれませんが、エネルギー価格、物流ルート、デジタル経済などを通じて、日本やアジア太平洋地域にも影響が及ぶ可能性があります。天津でのSCOサミットをきっかけに、ユーラシア発の国際ニュースにも少し目を向けてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com







