エチオピアで習近平人権論の読者フォーラム 中国・アフリカの国際ニュース
エチオピアの首都アディスアベバで、中国の習近平氏による人権に関する著作をめぐる読者フォーラムが開かれ、中国とアフリカの人権観やグローバルサウスの視点が語られました。各国が自国の歴史や文化に根ざした人権の道を模索する動きが、アフリカでどのように議論されているのかを読み解きます。
エチオピアで開かれた読者フォーラムの概要
2025年12月上旬の木曜日、エチオピアの首都アディスアベバで、書籍『Xi Jinping: On Respecting and Protecting Human Rights』の読者フォーラムが開催されました。
フォーラムには、アフリカの政界、学術界、メディア、学生コミュニティから約150人の代表が参加し、人権と開発、近代化のあり方について意見が交わされました。
書籍『Xi Jinping: On Respecting and Protecting Human Rights』とは
フォーラムであいさつした、中国人権研究会(China Society for Human Rights Studies)の常務副会長であり、中国人民政治協商会議(CPPCC)全国委員会常務委員の Jiang Jianguo 氏は、この書籍の特徴と意義を紹介しました。
Jiang 氏によると、同書は現在、13の外国語に翻訳されており、人権、政治、学術研究、メディア、シンクタンクなどの分野で世界各地の読者を引きつけているといいます。
この本を通じて、読者は習近平氏が「大きな政党と大国の指導者」として、国民への深い思いと世界に対するビジョンをどのように示しているかを読み取ることができると Jiang 氏は述べました。また、中国共産党が約1世紀にわたり、人権の尊重と保障に取り組んできた歩みを理解する助けにもなるとしました。
さらに Jiang 氏は、この書籍がアフリカ諸国の近代化の推進や人権ガバナンス(人権をめぐる制度・運営)の改善、人々の生活向上に向けた取り組みにとって、有益な参考資料となることへの期待を表明しました。
中国とアフリカに共通する「人を中心に据える」人権観
中国の陳海・駐エチオピア大使もフォーラムで発言し、中国とアフリカはいずれも「人を中心に据える」アプローチを重視し、それぞれの国情に合った人権の道を追求していると強調しました。同時に、人権問題を政治的な駆け引きの道具とする「人権の政治化」に反対する姿勢を示しました。
陳大使は、中国とエチオピアが中国・アフリカ間の人権交流と協力において模範的な役割を果たしてきたと指摘しました。そのうえで、中国・アフリカ間の人権分野での交流と協力は、中国とアフリカ双方の人権の発展を後押しするだけでなく、「共有された未来を持つ中国・アフリカ共同体」をいっそう深め、人類全体の進歩にも貢献すると述べました。
グローバルサウスの視点:歴史と文化に根ざした人権の道
リベリアの外務副大臣 Jeddi Mowbray Armah 氏は、各国はそれぞれの歴史、文化、発展段階に基づき、自国の国情に最も適した道を切り開かなければならないと述べました。その一方で、人間の尊厳、正義、平等という共通の価値を追求し続ける必要があると強調しました。
こうした考え方は、とくにグローバルサウス(南半球を中心とする新興国・途上国)の国々にとって強い共感を呼んでいると Armah 氏は指摘しました。自国の実情に根ざした人権と発展のモデルを模索しつつ、共通の価値を追求するという発想は、多くの国にとって現実的な課題でもあります。
アフリカ発の人権対話が投げかける問い
今回の読者フォーラムは、中国の人権観や習近平氏の人権論を紹介する場であると同時に、アフリカの研究者や学生、メディア関係者が、自国の人権と近代化のあり方を考えるための対話の場にもなりました。約150人が一堂に会したことは、人権をめぐる議論が専門家だけでなく、幅広い社会の関係者にも広がっていることを示しています。
中国とアフリカが「人を中心に据える」人権観や、国情に応じた多様な発展モデルを重視する一方で、国際社会では普遍的価値としての人権をどう守り、どう具体化していくかという議論も続いています。アディスアベバでの今回のような対話の積み重ねが、グローバルサウスを含む多様な地域からの視点を、国際的な人権議論にどのように反映させていくのか。今後の中国・アフリカ間の人権対話の展開が注目されます。
Reference(s):
Readers' forum on Xi Jinping thoughts on human rights held in Ethiopia
cgtn.com








