習近平氏が天津SCO首脳会議で示そうとした中国の新ビジョンとは
中国・天津市で2025年8月31日と9月1日に予定された上海協力機構(SCO)首脳会議に、中国の習近平国家主席が出席し、議長を務めると中国外交部が発表していました。この会議は、中国にとって今年を代表する首脳外交の場の一つと位置づけられています。
天津でのSCO首脳会議、習氏が「議長」として臨む
発表によると、天津市でのSCO首脳会議は、第25回上海協力機構加盟国元首会議として行われる予定で、習主席が議長を務めるとされています。また、より幅広い形式の「SCOプラス」会合も開かれ、いずれの場でも習主席が基調演説を行う見通しが示されました。
会議期間中、習主席は各国首脳を招いた歓迎晩さん会を主催するほか、参加国の指導者との個別会談も行う予定だとしています。首脳同士が直接顔を合わせる場として、二国間関係をめぐる対話も重視されていることがうかがえます。
「上海精神」を軸にした新たな構想
中国外交部の劉彬次官補は記者会見で、天津でのSCO首脳会議について「今年の中国にとって、最も重要な首脳外交、かつ自国開催による外交イベントの一つだ」と位置づけました。
劉氏によりますと、習主席は首脳会議と「SCOプラス」会合での基調演説で、SCOが掲げる理念である「上海精神」をいかに継承・発展させるか、時代の要請にどう応えるか、人々の期待にどう応えていくかについて、中国としての新たなビジョンや提案を詳しく述べるとされています。
あわせて、SCOの「質の高い発展」と、より幅広い分野での協力を後押しするため、中国として新たな具体策やイニシアチブを打ち出す方針も示されました。
さらに習主席は、第二次世界大戦後に築かれた国際秩序を建設的に守りつつ、国際社会のルールづくりを担う「グローバル・ガバナンス(世界の統治)」の仕組みをどのように改善していくかについて、SCOとしての新たなアプローチや道筋を提案するとされています。
次の10年を見据えた戦略と「80年」の節目
劉氏はまた、習主席が各国首脳とともにSCO首脳宣言に署名し発出するほか、今後10年間のSCOの発展戦略を承認する予定だと明らかにしました。SCOがどのような優先分野に力を入れていくのか、その方向性を示す文書となりそうです。
会議では、第二次世界大戦における反ファシズム戦争の勝利から80年、国際連合の創設から80年という節目を記念する声明も採択される見通しです。こうした歴史の節目と結びつけることで、SCOとして戦後の国際秩序や国連中心の国際システムをどう位置づけるかを示す狙いがうかがえます。
さらに安全保障、経済、人と人との交流や文化協力を強化するための一連の成果文書も採択されるとされており、SCOの協力分野を広くカバーする包括的な議題が並びます。
私たちが押さえておきたい3つのポイント
- このSCO首脳会議は、中国にとって2025年を代表する「自国開催の首脳外交」の場として位置づけられていること
- SCOの「上海精神」を土台に、今後10年の発展戦略や具体的な協力策を打ち出す場とされていること
- 第二次世界大戦の終結と国連創設から80年という節目を重ね合わせ、戦後国際秩序とグローバル・ガバナンスのあり方をめぐるメッセージ発信の場でもあること
地域協力の枠組みであるSCOの動きは、安全保障や経済連携などを通じて国際情勢にも影響を与えます。天津で予定された首脳会議を通じて中国がどのようなビジョンと具体策を示そうとしていたのかを押さえておくことは、今後の国際ニュースを読み解くうえでも重要になりそうです。日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、注目しておきたいテーマだと言えるでしょう。
Reference(s):
Xi to attend SCO summit in China's Tianjin, host related events
cgtn.com








