南沙諸島・永暑礁でジュゴン確認 中国の生態保護で人魚が戻る
南沙諸島の永暑礁でジュゴンを継続観測
国際ニュースとして注目を集める生態系のトピックです。2025年7月中旬以降、南沙諸島の永暑礁に常駐する環境保護当局と中国科学院の研究者が、礁の近海を継続的にモニタリングした結果、国家一級保護動物であるジュゴンが確認されました。
観測は永暑礁の沿岸域で行われており、複数回にわたってジュゴンの姿が捉えられているとされています。人魚とも呼ばれるこの海洋哺乳類が戻ってきたことは、現地の海洋環境が回復しつつあるサインとして受け止められています。
人魚と呼ばれるジュゴンとは
ジュゴンは、世界で最も古い海洋哺乳類の一つとされる草食性の動物で、インド洋から西太平洋にかけての浅い海に生息しています。海藻などを食べて暮らす温和な生き物で、その姿から人魚のモデルになったとも言われます。
国際自然保護連合のレッドリストでは、ジュゴンは絶滅危惧種に分類されています。さらに2022年には、中国本土沿岸のジュゴンは機能的絶滅と宣言され、野外での生息や繁殖がほとんど期待できない状態とみなされていました。
そのジュゴンが、南沙諸島の永暑礁近海で再び観測されたことは、中国本土周辺の海域における生息状況を考えるうえでも重要なニュースと言えます。
生態保護の成果を示す発見
今回の発見について、関係者は南沙諸島で進められてきた生態保護の取り組みの成果だと位置づけています。永暑礁周辺では、環境当局によるモニタリングや保全措置が継続的に行われており、その結果としてジュゴンが安心して回遊できる環境が整いつつある可能性があります。
ジュゴンのような大型の海洋哺乳類は、食物連鎖や海草藻場の健康状態を反映する存在でもあります。その姿が戻ってきたことは、海洋生態系全体の回復や、保護策の有効性を示す象徴的な出来事と見ることもできます。
研究機関と環境当局の連携強化へ
永暑礁の環境当局と研究センターは、今後も協力体制を継続し、島や礁の生態系保護に科学的な支えを与えていく方針です。現地での継続観測は、ジュゴンの行動パターンや生息環境を理解する上で欠かせません。
こうした科学的な知見は、次のような点で重要性を持ちます。
- ジュゴンの個体数や行動範囲の変化を把握する
- 海草藻場など、ジュゴンのえさ場となる生息環境の状態を評価する
- 船舶航行や漁業など人間活動との関係を見極め、保全策に反映する
データに基づく生態系管理が進めば、ジュゴンだけでなく、周辺の多様な海洋生物の保護にもつながると期待されます。
このニュースが示す問い
永暑礁でのジュゴン再発見は、中国の生態保護の進展を示すニュースであると同時に、私たちにいくつかの問いを投げかけています。
- 一度失われかけた生物多様性は、どこまで回復させることができるのか
- 海洋保護区や長期モニタリングは、どのように設計すれば効果的なのか
- 遠く離れた海で起きている環境変化と、私たちの日常の行動はどのようにつながっているのか
南沙諸島のジュゴンのニュースは、単なる珍しい生き物の話にとどまりません。国際ニュースとして、海洋環境の未来や生態保護のあり方を考えるきっかけを提供していると言えるでしょう。
Reference(s):
Dugongs make a return to waters near Yongshu Reef in Nansha Islands
cgtn.com








