香港で抗日戦争勝利80周年記念 李家超氏が歴史認識と愛国心を強調
中国香港特別行政区(HKSAR)で、中国人民の抗日戦争勝利80周年を記念する式典が行われ、歴史への理解と愛国心の継承をめぐる香港の動きが注目されています。本記事では、この国際ニュースを日本語で整理し、その背景とねらいを解説します。
香港で抗日戦争勝利80周年を記念
香港特別行政区政府は、中国人民の抗日戦争勝利から80周年となる節目を記念し、記念章授与式を開催しました。式典では、戦時中に前線で戦った退役兵や英雄的な功績を残した人物、抵抗運動を率いた指揮官、そしてその遺族ら香港の関係者に対し、国家から授与された記念章が手渡されました。
こうした授与は、歴史の中で重要な役割を果たした人々をたたえると同時に、抵抗の精神を受け継ぎ、社会全体の歴史認識と愛国心を一層深めることを目的としています。香港という国際都市においても、戦争の記憶とその教訓を次の世代へどう伝えるかが問われています。
李家超行政長官「歴史を知り、国を愛することで未来をつくる」
式典のあいさつで、香港特区の李家超行政長官は、かつて香港の人々が中国本土の人々と心を一つにし、犠牲をいとわず抗日戦争の前線で祖国防衛に身を投じたと強調しました。
特に、多くの香港の人々が「東江縦隊」や「港九大隊」などの組織に参加し、ゲリラ戦を展開するとともに、文化人や連合国関係者を救出するなどの活動に関わったことを挙げ、その勇気と行動力をたたえました。李氏は、こうした歴史が揺るがない愛国の精神を示していると評価しています。
さらに李氏は、歴史を正しく理解し、祖国を愛することが愛国心の炎を受け継ぐ唯一の道だと述べました。歴史を記憶することでこそ未来を切り開くことができ、中国の人々が示してきた抵抗の精神は民族全体にとって貴重な精神的財産であり、前に進む力になると強調しました。
若い世代へ向けた一連の記念事業
李氏は、香港特区政府が社会のあらゆる分野と連携し、香港の住民、とりわけ若い世代が揺るがない愛国心と祖国への深い愛情を育めるよう、一連の活動を展開していると説明しました。
香港特区政府は今年、抗日戦争勝利80周年をテーマにしたさまざまな記念事業を企画・実施してきました。9月3日の公式式典に加えて、歴史教育イベントや記念映画の上映会などを開催し、具体的なストーリーや映像を通じて、戦争の時代を知らない世代にも歴史の重みを実感してもらうことをねらいとしています。
日本語で読む香港ニュースが投げかける問い
今回の香港の動きは、日本語で国際ニュースを追う読者にとって、どこか身近でありながら、同時に距離も感じるテーマかもしれません。第二次世界大戦期の出来事をどう記憶し、どのような形で若い世代に伝えていくのかという課題は、東アジアの多くの社会が共有しています。
香港特区政府が掲げる「歴史認識」と「愛国心の継承」は、次のような問いを私たちに投げかけます。
- 戦争を経験した世代が少なくなるなかで、当事者の声や記憶をどのように残し、共有していくのか。
- 愛国心を語るとき、他者への排除ではなく、平和や尊重といった普遍的な価値とどのように結びつけていくのか。
- 学校教育や映画、イベントなど、若い世代に届きやすい形で歴史を伝えるには、どのような工夫が必要なのか。
中国香港の事例は、歴史教育と市民意識のあり方をめぐる一つのアプローチとして捉えることができます。国や地域によって歴史の語り方は異なりますが、過去をどう学び、どのような未来をつくりたいのかを考えるうえで、今回の記念事業は一つの手がかりになりそうです。
Reference(s):
HKSAR chief executive stresses historical awareness, patriotism
cgtn.com








