中国映画主題歌「Graduation Song」が今も問う青春と国の運命 video poster
戦争で国が危機にさらされていた時代、中国で生まれた映画主題歌『Graduation Song』は、学生たちに「一つになって立ち上がり、国の運命を引き受けよ」と呼びかける歌として知られています。約80年が過ぎた2025年の今も、そのメッセージは若者と社会の関係を考えるうえで示唆に富んでいます。
戦時下に響いた学生たちへの呼びかけ
『Graduation Song』は、映画『The Plunder of Peach and Plum』の主題歌として登場しました。歌の中心にあるのは、「学生たちよ、立ち上がれ。国の運命を自分たちの肩に担え」という力強いメッセージです。
当時、戦争によって国が危機に直面するなかで、この歌は中国の人々の抵抗の精神をかき立てるアンセム(象徴的な歌)となり、一つの世代を鼓舞しました。国の命運が揺らぐ局面で、若い世代に向けて「傍観者ではなく、歴史の当事者になれ」と促したとも言えます。
80年後の2025年、「運命を担う」とはどういうことか
それから約80年後の現在、私たちの多くは、当時の若者のように生死を分ける戦いに直面しているわけではありません。それでも、『Graduation Song』が投げかける「国の運命を担う」という言葉は、形を変えながら現代の若者にも重なります。
いまの若者は、教室や職場、地域社会、オンラインのコミュニティなど、さまざまな場で未来づくりに関わっています。命がけの抵抗ではなくとも、日々の学びや仕事、対話や協力を通じて、「より明るい未来」を形にしていくことが求められています。
英雄ではなく、「みんな」が主役の青春へ
この歌のメッセージが今も響く理由の一つは、「青春は少数の英雄だけのものではなく、私たち一人ひとりのものだ」という視点にあります。かつては名前の残る人物だけが「歴史を動かした」と語られがちでしたが、歌が呼びかけるのは、無名の学生たちを含む「みんな」で立ち上がることでした。
2025年の若者もまた、必ずしも華やかな「ヒーロー」になる必要はありません。身近な場所で責任を引き受け、小さな選択を積み重ねることが、結果として社会を変えていく力になります。そうした視点から見ると、『Graduation Song』は、英雄譚ではなく「共に生きる物語」への招待状とも読めます。
中国の歌から見える、アジアの若者像
中国で生まれたこの卒業の歌は、国境を越えて、多くの地域で共有される問いを映し出しています。「若者は社会の中でどのような役割を果たすのか」「国家や地域の運命と、自分自身の人生はどうつながっているのか」。これはアジア各地、そして日本の若者にとっても避けて通れないテーマです。
国際ニュースや外国の文化を追うことは、単なる情報収集にとどまりません。他国の若者がどのように自分たちの時代と向き合ってきたのかを知ることで、自分たちの立ち位置や選択を見直すきっかけにもなります。
「卒業歌」が私たちに投げかける3つの問い
『Graduation Song』の物語を、2025年を生きる私たちの現実に重ねてみると、次のような問いが浮かびます。
- 自分にとって「国の運命を引き受ける」とは、どんな日々の行動を意味するのか。
- 目の前の仕事や学びを通じて、「より明るい未来」にどうつながっていくのか。
- 英雄的な成果ではなく、「みんな」で支え合う形の貢献をどう評価していけるのか。
戦時下の一つの歌から始まったこれらの問いは、80年後の今も色あせてはいません。むしろ、急速に変化する世界の中で、自分と社会との距離をどう保つかを考え続ける私たちにとって、静かだが確かなヒントを与えてくれます。
青春は「誰か特別な人」だけが担うものではなく、「私たちみんなの時間」です。かつて学生に向けて投げかけられた呼びかけは、2025年を生きる私たち一人ひとりにも届いています。
Reference(s):
cgtn.com








