CNOOCが浙江省で大型石油精製・石化コンプレックス完成
中国の国有石油・ガス大手である中国海洋石油集団(CNOOC)は、東部の浙江省寧波市・大榭島で建設を進めてきた石油精製・石化一体型コンプレックスの建設が完了したと発表しました。総投資額は約210億元(約29億3000万ドル)に上り、中国の高付加価値化学素材の供給力を高める動きとして注目されています。
浙江省・寧波の沿海に新たな拠点
今回完成したコンプレックスは、東部沿海の都市である浙江省寧波市の沖に位置する大榭島に整備されました。CNOOCによると、プロジェクト全体で18基の大規模な石油精製・石化装置から構成されており、原油の処理から化学製品の製造までを一体で行うのが特徴です。
総投資約210億元、オレフィン生産は1000万トン超
プロジェクトの投資規模は約210億元(約29億3000万ドル)とされており、大型の石油精製・石化プロジェクトです。なかでも、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと呼ばれる基礎化学品の総生産能力は年間1000万トンを超え、高機能な化学材料の研究開発と生産を一段と押し上げる計画です。
- 総投資額:約210億元
- 立地:浙江省寧波市・大榭島
- 設備数:18基の大規模石油精製・石化装置
- オレフィン生産能力:年間1000万トン超
新エネ車と電子産業を支えるポリプロピレン
複合施設の主力製品の一つがポリプロピレンです。ポリプロピレンは軽くて丈夫なプラスチックで、新エネルギー車の部品や電子産業の各種機器など、幅広い用途を持つ代表的な高分子材料の一つです。
今回のコンプレックスは、こうした高付加価値の化学製品を安定的に供給することを狙っており、中国本土の新エネルギー車産業や電子産業のサプライチェーン強化につながるとみられます。
建設期間を90日短縮、新技術で工期を圧縮
このプロジェクトは2022年7月に着工しました。建設チームは新たに開発した工法や施工技術を導入し、一般的な工期と比べて90日間の短縮を実現したとしています。
とくに、装置の中核となるリアクター(反応器)とリジェネレーター(再生装置)の据え付け工事では、中国として最短となる工期記録を打ち立てたとされ、高度なプロジェクト管理とエンジニアリング能力を示す事例となりました。
エネルギー・素材戦略の中での位置づけ
今回の石油精製・石化一体型コンプレックス完成により、CNOOCは東部沿海地域での石油化学事業を一段と拡大することになります。オレフィンやポリプロピレンといった基礎から高機能までの化学製品を一カ所で生産できる体制は、コスト面だけでなくサプライチェーンの安定にも寄与すると考えられます。
新エネルギー車や電子機器など、成長分野を支える素材産業は各国・各地域で競争が激しくなっています。中国本土でも、高度な化学材料を国内で研究開発し、生産能力を強化していく取り組みが続いており、今回のCNOOCの動きもその流れの中に位置づけられます。
これからの注目ポイント
今後は、実際の商業運転の立ち上げスピードや、高機能製品のラインアップをどこまで拡充できるかが注目点となります。また、エネルギー効率向上と環境への配慮を両立させる運営がどのように進むのかも、企業や関係者が注目するポイントになりそうです。
エネルギーと素材の両面で影響の大きい今回のプロジェクトは、2025年以降の中国本土の産業構造や国際市場での競争力を読み解くうえで、一つの重要な指標となりそうです。
Reference(s):
CNOOC completes major refining, petrochemical complex in east China
cgtn.com







