中国の障害者支援に広がるテクノロジー 春節ガラもアクセシブル化
2025年8月25日に中国で迎えた第9回全国残疾予防日は、テクノロジーを活用した障害者支援の現在地を考えるきっかけになりました。今年のCMG春節ガラでは、視覚・聴覚に障害のある人も共に楽しめるアクセシブル放送が初めて導入され、中国の取り組みに注目が集まっています。
全国残疾予防日とテクノロジーの役割
全国残疾予防日は、その名前が示すように、障害の予防や理解、支援の重要性に光を当てる日です。近年、中国ではテクノロジーが日常生活そのものを大きく変えると同時に、障害のある人々の生活の質を高める手段としても位置づけられています。
ポイントは、情報や文化へのアクセスを広げることです。デジタル技術を活用することで、これまで参加しづらかった場にアクセスできる人が増えつつあります。
2025年CMG春節ガラが示したアクセシビリティ
2025年のCMG春節ガラでは、視覚障害者向けと聴覚障害者向けのアクセシブル放送が初めて行われました。誰もが文化的な大イベントを共に楽しめるようにするという意味で、大きな一歩といえます。
視覚障害者向け:触れて楽しむための工夫
視覚に障害のある人に向けては、音声クリエーション、大判点字、触覚グラフィック表示といった技術が活用されました。音声クリエーションは、ステージの様子や雰囲気を言葉で伝えることで、画面を見なくても内容をイメージしやすくする試みです。
大判点字や触覚グラフィック表示は、文字情報や舞台構成などを、手で触れて理解できる形にする技術です。これにより、視覚情報に依存しない楽しみ方が広がり、文化体験のバリアが下がります。
聴覚障害者向け:AR技術で広がる視覚情報
聴覚に障害のある人に向けては、AR(拡張現実)によるバーチャル技術が取り入れられました。デジタル技術を通じて視覚情報を強化し、音に頼らなくてもステージを楽しめるようにする狙いがあります。
大規模な番組で、こうした技術を組み込むことは簡単ではありません。それでも実現に踏み出したことは、今後の番組制作やイベント設計において、アクセシビリティを初めから組み込む発想を後押しすると考えられます。
静かに進むインクルージョンの流れ
中国では、障害のある人々の福祉向上に向けた取り組みが継続的に進められてきました。今回の春節ガラのように、誰もが参加できる形で文化を共有しようとする試みは、その流れを象徴するものといえます。
今後の焦点は、こうした先端的な試みを、日常のサービスや教育、公共空間などにどこまで広げられるかという点です。アクセシビリティを特別な配慮ではなく、最初から備わっていて当然の設計として考えられるかどうかが問われます。
テクノロジーは、それ自体が目的ではなく、人の暮らしをより良くするための手段です。全国残疾予防日のメッセージと2025年の春節ガラでの実践は、障害の有無にかかわらず、互いに同じ文化や時間を共有できる社会に向けた一歩を示していると言えるでしょう。
Reference(s):
China uses technology to improve lives of people with disabilities
cgtn.com








