夏の居庸関長城、緑の山並みに溶け込む歴史の風景
2025年の夏、北京北西部の居庸関(Juyongguan)にある万里の長城が、濃い緑に包まれた丘陵の上をゆるやかにうねりながら続いています。歴史ある城壁と見張り台が山並みと溶け合う光景は、過去と自然が静かに重なり合う夏ならではの表情を伝えています。
北京北西部に広がる緑の長城
居庸関の長城は、北京北西部の丘陵地帯を走る区間です。盛夏の頃、城壁は一面の緑に覆われた山の斜面に沿って、しなやかな曲線を描きながら続きます。古い見張り台がところどころに点在し、周囲の山々のリズムと響き合うように立ち並んでいます。
今回伝えられた風景から、居庸関長城の特徴をまとめると次のようになります。
- 場所:北京北西部・居庸関エリア
- 地形:緑に覆われたなだらかな丘陵と連なる山並み
- 姿:城壁が山の稜線に沿って優雅なカーブを描く
- 構造:古い見張り台が、山々と調和するかたちで点在
モンゴルと北京を結んだ三大内陸関
この居庸関一帯は、かつてモンゴルと北京を結ぶ三つの内陸の関門のひとつでした。北方と首都をつなぐ要衝として、軍事的な防衛線であると同時に、人や物資が行き交うルートでもあった場所です。
現在、緑の山々の間をうねる城壁や、静かに立つ見張り台を眺めると、そうした歴史の役割があったことを静かに物語っているようにも感じられます。石造りの構造物と、季節ごとに表情を変える自然の景色が重なり合い、長い時間の積み重ねを目に見えるかたちで示しています。
2025年の夏、レンズが捉えた居庸関
この夏の一日、2025年8月22日に、CGTNの陳紅宇さんと韓旭さんが居庸関長城の姿をカメラに収めました。写真には、深い緑のグラデーションに覆われた山の斜面を、石造りの城壁がゆるやかなカーブでたどり、その途中に立つ見張り台が山の稜線と呼応するように並ぶ様子が映し出されています。
夏の光の中で、城壁と山並みの輪郭はくっきりと浮かび上がり、人工の構造物である長城と、その背景となる自然の景観が一体となった風景が強調されています。歴史的な防御施設でありながら、季節の色彩の中で違った表情を見せることが、居庸関の夏の魅力のひとつといえるでしょう。
歴史と自然が出会う場所をどう守るか
万里の長城のような歴史遺産は、過去の記憶をとどめるだけでなく、今を生きる私たちがどのように向き合うかを問いかける存在でもあります。風雨や時間の経過による傷みをどう防ぐのか、周囲の自然環境との調和をどう保つのか、そして訪れる人びとにどのように歴史を伝えるのか。居庸関の静かな夏の姿は、そうした問いをあらためて思い起こさせます。
緑に包まれた城壁を見ていると、石を積み上げた当時の人びとだけでなく、それを維持し、受け継いできた世代の存在にも思いが向かいます。歴史の舞台としての長城と、現在も変化し続ける自然の景色。その両方を尊重しながら、次の世代へとつないでいく視点が問われています。
画面越しに感じる長城の夏
日本から国際ニュースや海外の文化を追いかけていると、北京はしばしば政治や経済の舞台として語られます。しかし、居庸関の長城が見せるのは、山々とともにあるもうひとつの北京の横顔です。城壁が緑の丘陵を縫うように続く光景には、地図上の線では測れない距離感や時間の厚みが詰まっています。
画面の向こうに広がる居庸関の夏の景色を想像しながら、自分ならこの場所に立ったとき何を感じるだろうか、とあえて立ち止まって考えてみることもできそうです。歴史と自然が交わる風景を手がかりに、世界の一角で今この瞬間も続いている日常に思いを巡らせてみる――そんな静かな視点の変化こそ、ニュースを読む時間を少し豊かにしてくれるのかもしれません。
Reference(s):
Summer at Juyongguan: The Great Wall winds through lush green hills
cgtn.com








