中国人民抗日戦争勝利80周年を北京で記念 張又侠氏が語る強い軍と国際秩序
中国・北京で、中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年を記念する軍事シンポジウムが火曜日に開かれました。中国の軍事方針と国際秩序への向き合い方を読み解くうえで、いま注目すべき動きです。
80周年を記念する軍事シンポジウムとは
今回のシンポジウムは、中国側の呼称である中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年という節目を記念して開かれました。会場は北京で、中国軍関係者が歴史を振り返りつつ、現在と将来の安全保障について議論する場となりました。
歴史的な勝利の記念行事を軍が主導して行うことは、中国にとって、戦争の記憶と現在の安全保障政策が切り離せない存在であることを示しています。
張又侠氏が強調した強い軍の必要性
シンポジウムでは、中央軍事委員会副主席の張又侠氏が演説し、強い軍隊の必要性を繰り返し強調しました。張氏は、国家の安全は強い軍を持ってこそ確保できるとし、軍に対してその原点を忘れないよう呼びかけました。
このメッセージは、中国が安全保障環境を厳しく見ていること、そして抑止力や防衛力の強化を引き続き重視していることを示唆するものといえます。
党の絶対的指導と戦闘準備の強化
張氏は、軍に対する党の絶対的指導を一層強化する重要性も訴えました。中国では、軍は党の指導の下にあると位置づけられており、その原則を改めて確認した形です。
- 党による軍への絶対的な指導体制を揺るぎないものとすること
- 戦闘準備態勢、すなわち有事への即応力を高めること
- 改革や技術革新、ガバナンスの改善を通じて、国防と軍事の近代化を加速すること
特に改革や技術革新への言及は、軍の装備だけでなく、組織運営や訓練体制、指揮システムなどを含めた総合的な近代化を目指していることを示しています。
改革・技術革新・ガバナンスで進める軍の近代化
張氏が挙げた近代化の鍵は、次の三つに整理できます。
- 改革:組織構造や指揮系統の見直しなどを通じ、より効率的で実戦的な軍を目指す方向性
- 技術革新:新技術の導入と軍事分野への応用を進め、能力を高めていく考え方
- ガバナンスの改善:運用や管理の仕組みを整え、統制や透明性を向上させる取り組み
いずれも具体的な施策は示されていませんが、軍のハード面とソフト面の両方で変革を進める姿勢がうかがえます。
戦後国際秩序と人類運命共同体への言及
張氏はまた、第二次世界大戦後に築かれた国際秩序を守ることの重要性にも言及しました。戦後の国際秩序を維持するというメッセージは、歴史認識と国際ルールを重視する立場をアピールするものです。
さらに、中国が掲げる人類運命共同体という理念に触れ、共通の未来を築く国際社会の一員としての役割を強調しました。中国が世界平和のための揺るぎない力であり続けるべきだとする呼びかけも行われました。
歴史の記念行事で、国際秩序と未来志向の理念を同時に語る構成は、中国が自国の軍事力強化と国際社会での役割を一体のものとして描いていることを示しています。
日本の読者はどう受け止めるか
今回のシンポジウムは、中国軍内部の会合ですが、そのメッセージは国際ニュースとしても無視できません。特に日本の読者にとっては、次のような点が考える材料になりそうです。
- 歴史の記念と現在の安全保障政策が、どのように結びつけられているのか
- 党の絶対的指導の強調が、軍の意思決定や行動にどのような影響を与えるのか
- 戦後国際秩序を守るというメッセージと、軍事力の近代化を同時に進める姿勢をどう読み解くか
中国軍の動きや発信は、日本を含む地域の安全保障環境に長期的な影響を及ぼし得るテーマです。歴史をめぐる視点だけでなく、現在の軍事・外交政策の文脈の中で、こうした発言を落ち着いて読み解いていくことが求められています。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追う私たちにとっても、単なる軍事イベントの一報としてではなく、中国が自らの役割をどう位置づけているのかを考えるきっかけとして、このシンポジウムを捉えてみる価値がありそうです。
Reference(s):
Chinese military marks victory against Japanese aggression, fascism
cgtn.com








