CMGドキュメンタリー「勝利」 中国人民の抗日戦争を描く10話シリーズ video poster
China Media Group(CMG)が制作した10話構成のドキュメンタリー「Victory(勝利)」が、2025年8月26日から中国中央テレビ(CCTV)の総合チャンネルなどで放送されました。中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争を描くこのシリーズは、豊富な歴史資料をもとに「東側の主戦場」としての中国の役割を伝えようとしています。
CMGの新作ドキュメンタリー「勝利」とは
ドキュメンタリー「Victory(勝利)」は、China Media Group(CMG)が制作した全10話のシリーズです。2025年8月26日に放送が始まり、CCTV-1では初回当日の午後8時から、CCTV-10では翌日の午後9時20分から放送されました。いずれのチャンネルでも、毎晩2話ずつ連続して放送される構成でした。
作品は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の歩みを、14年に及ぶ長期の戦争として描きます。中国の戦場は、他地域よりも早く始まり長く続いたとされ、その間、中国人民は大きな犠牲を払いながら東方の主戦場を支えたとされています。シリーズは、その過程で中国が最終的な勝利にどのように貢献したのかを、具体的なエピソードを通して伝える構成です。
「14年の戦争」をどう描くか
国際ニュースとしても注目されるのは、このドキュメンタリーが中国の戦争体験を「世界反ファシズム戦争」というより大きな枠組みの中に位置づけている点です。中国国内の出来事としてだけでなく、世界各地の戦局とつなげて捉えようとする視点は、戦争の全体像を考えるうえで重要な手がかりになります。
作品が強調するのは、次のようなポイントだといえます。
- 戦争の開始が他地域より早く、終結までの期間が長かったこと
- その間、中国人民が東方の主戦場を支える役割を担ったこと
- 大きな国家的犠牲を通じて、最終的な勝利に貢献したという位置づけ
これらの視点は、中国の戦争経験をどう記憶し、どのように語り継ぐべきかという議論ともつながります。日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、東アジアの20世紀を考え直す素材になり得る内容です。
各国から集めた「未公開級」映像と写真
このシリーズの大きな特徴は、ロシア、アメリカ、イギリス、日本など、複数の国にまたがる歴史映像や写真を掘り起こしている点です。番組では、これまで中国の番組としては前例がない規模で、海外のアーカイブから資料を収集したとされています。
番組に登場する史料の一例は次のとおりです。
- アメリカ人ジャーナリスト、エドガー・スノーによる当時のナレーション音声
- ソ連の映画撮影監督ロマン・カルメンによる記録映画のフィルム映像
- ロバート・キャパやハリソン・フォーマンなど、アメリカ人写真家による歴史的写真
国や立場の異なる人々が残した映像や写真を並べて見せることで、番組は一つの出来事を多方向から捉える試みをしているといえます。こうした素材の組み合わせは、視聴者に「自分が知っている歴史観はどこから来ているのか」を問い直させるきっかけにもなります。
デジタル世代が見る「戦争」と「記憶」
スマートフォンでニュースや動画を日常的にチェックする世代にとって、白黒映像や古い写真は、時に遠い時代の出来事として感じられがちです。しかし、今回のように国際的なアーカイブを横断しながら再編集された映像作品は、戦争を「教科書の中の出来事」から「具体的な人びとの経験」へと引き寄せる力を持ちます。
国際ニュースを日本語で追う私たちにとって、このドキュメンタリーは次のような問いを投げかけています。
- 戦争の記憶は、どの国のどの立場から語られているのか
- 映像や写真といった「記録メディア」は、どのように歴史認識を形づくるのか
- 東アジアの戦争の歴史を、世界全体の文脈の中でどう位置づけるのか
「勝利」は、中国人民の抗日戦争を軸に据えながらも、世界反ファシズム戦争全体を見渡す視点を提示しようとする作品です。歴史をめぐる見方を更新したい読者にとって、映像資料を通じて考える一つの手がかりになるでしょう。
Reference(s):
'Victory': CMG's documentary on China's war of resistance airs Tuesday
cgtn.com








