中国の新エネルギー特許が世界の4割超 第14次五カ年計画の成果とは
中国が新エネルギー分野で存在感を一段と強めています。中国国家エネルギー局の王鴻志氏によると、新エネルギー技術や設備に関する中国の特許は、世界全体の4割超を占める水準に達したといいます。エネルギー転換と脱炭素が進むなか、その意味合いは小さくありません。
新エネルギー特許、世界シェア4割超の背景
王氏は記者会見で、第14次五カ年計画期間(二〇二一〜二〇二五年)に、中国が新エネルギー技術で相次いで世界記録を更新してきたと説明しました。
- 太陽光発電で鍵となる光電変換効率が世界最高水準を更新
- 洋上風力発電では、一基あたりの発電容量が世界記録を更新
- 新型エネルギー貯蔵の規模が世界最大に拡大
こうした技術革新の積み重ねが、新エネルギー関連特許の急増と、世界シェア4割超という数字につながっているとみられます。
第14次五カ年計画で強まったエネルギー供給力
現在終盤に差し掛かった第14次五カ年計画の五年間は、中国にとってエネルギー供給とその強靱性を高める時期でもありました。
- 計画前半の四年間で、エネルギー消費の増加量は、第13次五カ年計画(二〇一六〜二〇二〇年)全体の1.5倍に達した
- 五年間の電力消費の増加量は、欧州連合の年間電力消費を上回る見通し
急増する需要に対応するため、中国はエネルギーの生産・供給・貯蔵・販売の体制整備を加速させました。王氏によれば、二〇二四年には発電量が初めて十兆キロワット時を超え、世界全体のおよそ三分の一を占める規模になったといいます。
同じ年のエネルギー総生産量は、標準炭約五十億トンに相当する水準で、世界全体の五分の一超を占めました。これにより、国内に安定的で十分なエネルギー供給を確保できたと説明しています。
生活インフラとしてのエネルギーをどう変えたか
量だけでなく、エネルギーが生活インフラとして機能する面でも変化が進みました。第14次五カ年計画の期間中、中国は電力・石油・ガスの供給のボトルネック解消に取り組み、住民のエネルギー利用環境の改善を図りました。
なかでも象徴的なのが、電気自動車向け充電ネットワークの整備です。この五年間で、中国は世界最大規模の充電ネットワークを構築し、自動車五台につき充電スタンド二基という水準に達したとされています。日常的な充電の利便性が大きく高まった形です。
また、極端な自然災害が発生した際には、エネルギー供給の早期復旧に力を入れ、住民の生活を支えるライフラインとしての機能維持を重視したといいます。
再生可能エネルギーが主役へ 一増一減の構造変化
王氏は、第14次五カ年計画が、中国にとって最も速いグリーンかつ低炭素への転換期になったと強調しました。中国はこの期間に、世界最大かつ最も成長の速い再生可能エネルギーシステムを築いたとされています。
- 再生可能エネルギーによる発電設備容量の比率は、約四〇%から約六〇%へ上昇
- 風力・太陽光発電の年間新設容量は、一億キロワット、二億キロワット、三億キロワットを次々と突破
- 国内で消費される電力のうち、三キロワット時に一キロワット時は再生可能エネルギー由来
エネルギー消費構造も変化しています。一時エネルギー全体に占める非化石エネルギーの比率は毎年一ポイントずつ上昇し、第14次五カ年計画で定められた二〇%という目標を上回る見通しです。一方で、石炭の比率は毎年一ポイントずつ低下しました。
王氏は、この非化石エネルギーの増加と石炭の減少という一増一減の構造変化が、経済成長のグリーン度合いを高めたと説明しています。
世界の脱炭素にも影響する中国の存在感
中国国内のエネルギー転換は、世界の脱炭素にも波及しています。第14次五カ年計画の期間中に、中国から輸出された風力・太陽光関連製品は、他国の炭素排出削減に寄与しました。その削減量は、約四十一億トンに相当するとされています。
新エネルギー特許の世界シェア四割超という数字は、単なる技術競争の指標にとどまりません。各国がエネルギー転換を進めるなかで、中国の技術と設備がどのように使われるのかは、今後の国際的な低炭素化の流れを考えるうえでも重要な視点になりそうです。
二〇二六年以降 第15次五カ年計画で何が焦点に
王氏は、二〇二六〜二〇三〇年の第15次五カ年計画のもとで、新しいエネルギーシステムの整備を本格的に進める方針を示しました。エネルギー強国の構築を加速し、中国式現代化を支える強固なエネルギー基盤を整えることを目指すとしています。
二〇二五年十二月現在、第14次五カ年計画は最終年度を迎えています。これまでの五年間で築かれた再生可能エネルギーや新エネルギー技術の基盤が、次の五年間にどのように発展し、世界のエネルギー地図をどう塗り替えていくのか。引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
China contributes over 40% of world's new energy patents: official
cgtn.com








