国連が新設「世界湖の日」 地球の脆さと雄大さを見つめる
今年初めて迎えた「世界湖の日」とは?
2025年8月27日、国連が新たに制定した「世界湖の日(World Lake Day)」を世界が初めて迎えました。地球の淡水の大半をたくわえる湖の役割と、その脆さと雄大さをあらためて見つめ直す一日です。
国連がつくった新しい国際デー「世界湖の日」
「世界湖の日」は、2024年12月に国連が正式に制定した国際デーです。その翌年にあたる2025年8月27日が、初めての記念日となりました。
名称が示す通り、主役は世界各地の湖です。自然湖であれ人工湖であれ、湖が地球環境や私たちの暮らしにもつ意味を、国際社会全体で考えることを目的としています。
湖は地球の「淡水タンク」──9割以上をたくわえる存在
国際ニュースとしても注目されるのが、湖が担う淡水供給の役割です。湖は自然湖・人工湖を合わせて、世界の地表に存在する淡水の9割以上をたくわえているとされています。
この巨大な「淡水タンク」があるからこそ、多くの都市や農村は安定した水源を確保でき、人々の生活や産業活動が成り立っています。
湖が支える4つの重要な役割
湖は水をためるだけの場所ではありません。環境ニュースの観点から見ても、次のような多面的な役割を果たしています。
- 生物多様性を支える:湖とその周辺には、多様な魚類、水鳥、水生植物などが生息し、豊かな生態系を形づくっています。
- 気候を調節する:大量の水が熱をため込み、放出することで、地域の気温や湿度を和らげるはたらきがあります。
- 洪水を調整する:大雨の際に水を一時的にためることで、下流域の急激な増水を和らげる役割を担います。
- 炭素をとらえる:湖底の堆積物や水生植物が、二酸化炭素などの炭素を長期的に閉じ込める場にもなっています。
それでも湖はいま、3つの脅威にさらされている
こうした重要性にもかかわらず、世界の湖は次のような要因によって、年々プレッシャーにさらされています。
1. 水の「取りすぎ」による過剰利用
農業用水や都市の水道水として、湖から大量の水が引き出されると、水位が下がり、生態系のバランスが崩れやすくなります。
2. 汚染による水質悪化
生活排水や工業排水、農薬や肥料などが流れ込むことで、水質が悪化し、水生生物への影響や悪臭、藻類の異常繁殖などを引き起こすおそれがあります。
3. 気候変動の影響
気温の上昇や降水パターンの変化は、湖の水量や水温を変え、氷の張り方や生態系のリズムにも影響します。干ばつや豪雨の増加は、洪水調整機能にも負荷をかけます。
湖は「自然の鏡」であり「生命の源」
湖は、周囲の山々や空を映し出す「自然の鏡」として、私たちの目を楽しませてくれます。同時に、水中の生き物だけでなく、湖畔に暮らす人々や陸上の生態系にとっても、なくてはならない生命の源です。
さらに湖は、詩や絵画、音楽など、多くの芸術作品のインスピレーションの源となってきました。地域の祭りや物語、宗教的な儀礼など、文化や精神性を育んできた舞台でもあります。
中国本土と世界各地の象徴的な湖に目を向ける
「世界湖の日」は、中国本土やアジア、世界各地に広がる象徴的な湖に、あらためて関心を向けるきっかけにもなります。
- 旅行や出張の際に、訪れた土地の湖やダム湖に立ち寄ってみる
- オンライン地図や衛星写真で、世界の湖の形や広がりを眺めてみる
- 写真集やドキュメンタリーを通じて、各地の湖と人々の暮らしのつながりに触れる
こうした小さな行動からでも、湖をめぐる国際ニュースや環境問題を自分ごととして捉えやすくなります。
「世界湖の日」を日常につなげるために
2025年12月のいま、初めての「世界湖の日」から数カ月が経ちました。このタイミングで、私たち一人ひとりの暮らしと湖との距離を、少しだけ近づけてみることもできます。
- 身近な湖やダム、貯水池の歴史や役割を調べてみる
- SNSで印象に残った湖の写真や記事を共有し、ハッシュタグで世界湖の日の話題を広げる
- 日常の節水や、ごみを水辺に残さないといった基本的な行動を意識する
「世界湖の日」は、年に一度の記念日にとどまる必要はありません。湖をとりまく現状に目を向けることは、地球の脆さと雄大さの両方を感じながら、これからの水と環境のあり方を考える入り口にもなります。
Reference(s):
cgtn.com








