中国の趙楽際がスイス上院議長と会談 国交75年と台湾問題を協議
中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員長の趙楽際(ちょう・らくさい)氏は火曜日、北京でスイスの連邦議会・全州議会のアンドレア・カローニ議長と会談しました。国際ニュースとして注目される今回の会談では、外交関係樹立75周年を節目に、経済協力や台湾問題、多国間貿易体制など幅広いテーマが話し合われました。
国交樹立75年、「平等・イノベーション・ウィンウィン」の精神
趙氏は、中国とスイスが外交関係を樹立してから75年にわたり、二国間関係が安定して発展してきたと振り返りました。そのうえで、この歩みは「平等・イノベーション・ウィンウィン」という協力の精神を体現していると評価しました。
中国側は、この節目の年を好機と捉え、両国首脳の間で確認された重要な合意を着実に実行し、中国とスイスの「イノベーティブな戦略的パートナーシップ」をさらに発展させていきたい考えを示しています。
対話メカニズムを活用し、戦略的互信を強化
会談では、政治、経済、社会などさまざまな分野で整備されている両国間の交流メカニズムを適切に活用し合うことの重要性も確認されました。趙氏は、互いの国情や内政・外交政策への理解を深めることで、戦略的な相互信頼を一段と高める必要があると呼びかけました。
背景には、世界情勢が不透明さを増すなかで、価値観や制度の異なる国どうしが安定した対話のルートを持ち続けることの重要性があります。議会間交流や定期協議の枠組みを通じて、認識のギャップを埋めていくことが期待されています。
台湾問題は「核心的利益の核心」 一つの中国原則を確認
趙氏は会談の中で、台湾問題が中国にとって「核心的利益の核心」に位置付けられていると改めて強調しました。そのうえで、スイス側が一つの中国原則を順守し、中国の国家統一の実現に向けた努力を支持することへの期待を示しました。
欧州の主要な国・地域との対話において、中国側が台湾問題への立場を明確に伝える場面は増えています。今回のメッセージも、今後の中国とスイス、さらには中国と欧州の関係を考えるうえで、重要な一要素になりそうです。
自由貿易協定のアップグレードと新たな成長分野
経済分野では、中国とスイスの自由貿易協定が発効して以来、二国間の投資と貿易の拡大に重要な役割を果たしてきたと趙氏は評価しました。そのうえで、両国が協力して協定の高度化交渉を加速させ、新たな成長分野を育てていくことへの期待を示しました。
ここで言う「新興分野」には、新たな技術やサービス、ビジネスモデルを軸にした協力が含まれるとみられます。高付加価値な分野での連携が進めば、両国企業にとっても新しいビジネスチャンスが広がる可能性があります。
多国間貿易体制とサプライチェーンの安定を重視
さらに趙氏は、中国がスイスとともに、多国間貿易体制や産業・サプライチェーンの安定と円滑さを維持していきたいと述べました。併せて、開放的で協力的な国際環境を育むことの重要性も強調しました。
保護主義的な動きが各地で見られるなかで、多国間の枠組みを通じた自由で公正な貿易の維持は、各国の経済にとって大きな課題となっています。中国とスイスという、経済構造も外交スタイルも異なる二つのプレーヤーが、貿易とサプライチェーンの安定を共通の関心として掲げた点は注目すべきポイントです。
今回の会談から見えるポイント
今回の中国・スイス首脳級会談で浮かび上がった主な論点を整理すると、次のようになります。
- 外交関係樹立75周年を節目とした関係強化
- 「イノベーティブな戦略的パートナーシップ」の深化
- 台湾問題と一つの中国原則に関する中国側の立場の再確認
- 自由貿易協定のアップグレード交渉と新興分野での協力
- 多国間貿易体制とサプライチェーン安定への共同コミット
日本からこのニュースを見ると、中国と欧州の中で独自の立ち位置を持つスイスとの関係強化は、国際経済やサプライチェーンの行方を考えるうえでも無視できない動きです。今後、自由貿易協定の高度化や新興分野での協力が具体化すれば、グローバルなビジネス環境にも穏やかな変化をもたらす可能性があります。
デジタルネイティブ世代の読者にとっても、今回の会談は「一つの会談」が世界の貿易ルールや地域情勢、とりわけ台湾問題をめぐる議論にどのように影響し得るのかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Zhao Leji holds talks with Swiss council of states president
cgtn.com








