天津SCOサミットを世界へ CMGが挑んだ史上最大級の報道体制
2025年8月31日から9月1日にかけて天津で開催予定だった上海協力機構(SCO)サミットは、SCO史上最大の会合とされています。これに向けて中国メディアグループ(CMG)は、ハイテク機材とマルチプラットフォームを総動員した報道体制を準備しました。デジタル時代の国際ニュース発信のあり方を考えるうえでも、注目すべき動きです。
760人超が動員されたCMGの報道体制
サミットを主催する中国にとって、世界に向けてどのように情報を発信するかは重要なテーマでした。CMGはこの課題に応えるため、760人を超えるプロフェッショナルを動員し、史上最大級の取材体制を整えています。
ラジオ、テレビ、新メディア(オンライン)を連携させたマルチプラットフォーム戦略も特徴です。
- 760人超の報道・制作スタッフを投入
- ラジオ、テレビ、新メディアを組み合わせた発信
- 国際コミュニケーションに特化した番組づくり
こうした体制は、サミット期間中に多様な視聴者へ同時に情報を届けることをねらいとしたものです。
ハイテク機材で支えるライブ報道
CMGのSCOサミット報道を物理的に支えたのが、中継車やカメラなどのハイテク機材です。天津には7台の中継車に加え、8メートルのジブアームや高所カメラタワーが配備され、シームレスなライブ放送を実現する準備が進められました。
なかでも注目を集めたのが、チャイナ・レッドの愛称を持つ4K/8K対応の超高精細中継車です。この中継車は8月中旬に天津に到着し、厳しいテスト運用が行われました。その姿は地元住民や観光客の関心を引きつけたとされています。
さらに、海河沿いの天津駅広場には屋外スタジオが設けられ、木曜日にオープンしました。このスタジオが主要な放送拠点となり、サミット関連の番組やライブ中継を発信するハブとして機能することが想定されていました。
国際発信の要となるCGTN
CMGの国際報道で中心的な役割を担うのが、China Global Television Network(CGTN)です。SCOサミットでも、CGTNは国際向け報道の要として位置づけられました。
多言語で展開されるCGTNの各チャンネルは、SCOの首脳会議(SCO理事会の元首会議)やSCOプラス(SCO+)の会合をライブで中継する計画でした。
さらにCGTNは、サミットの意義や上海精神をテーマにした独占レポートを制作し、独自の国際的な視点から発信することを打ち出しています。単なる首脳会談の中継にとどまらず、その背景やメッセージを多角的に伝える狙いがうかがえます。
デジタル時代の国際ニュース発信に示唆
今回のCMGとCGTNの取り組みからは、デジタル時代における国際ニュース発信のいくつかのポイントが見えてきます。
- 大規模な人的体制で現場を押さえること
- 4K/8Kなど高精細映像を含む先端技術を活用すること
- ラジオ、テレビ、新メディアを組み合わせた一体的な発信
- 多言語チャンネルを通じた国際視聴者へのアプローチ
日本を含む各国のメディアや情報発信に携わる人にとっても、こうした試みは、グローバルなオーディエンスに向けて自国や地域のニュースをどう届けるかを考えるヒントになりそうです。天津で準備が進められたSCOサミット報道は、今後の国際ニュースのかたちを占う一つの事例といえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








