中国・天津の「石の村」西井峪 歴史と暮らしが息づく集落
中国北部の天津市にある西井峪(Xijingyu)村は、足元から家々の壁、路地の一枚一枚にいたるまで石でできた「石の村」として知られています。数億年かけて形づくられた岩石の上に築かれたこの集落は、2025年のいまも、歴史と暮らしが共存する国家レベルの歴史文化集落として注目されています。
石の上に立つ「国家級歴史文化集落」
西井峪村は、中国北部の天津市に位置し、「国家レベルの歴史文化集落」として位置づけられています。村は石の山の上に築かれており、家屋や塀、小道までが石でできているのが最大の特徴です。こうした特徴から、「石の村」という愛称でも呼ばれています。訪れる人は、村全体がひとつの立体的な石の建築作品のように感じるかもしれません。
頁岩やドロマイトがつくる独特の風景
村に使われている石は、頁岩(けつがん)やドロマイトなど、数億年前に形成されたとされる岩石です。これらの石が、家の壁や屋根、段々になった坂道や石段として再利用され、落ち着いた色合いの風景を生み出しています。
硬く、風雨に強い石は、長い時間をかけて村の暮らしを支えてきました。住民にとって石は、単なる建材ではなく、世代を超えて受け継がれてきた生活の土台でもあります。
「石の村」が語る歴史と暮らし
西井峪のような歴史的集落は、地域の暮らし方や知恵がそのまま景観として可視化されている場所でもあります。石を積み上げた家や塀は、限られた資源を最大限に生かす工夫の結果であり、気候や地形に合わせた「ローカルな建築技術」の集積だといえます。
現代の都市から見れば素朴に見えるかもしれませんが、こうした村には、エアコンや大規模なインフラに頼らずに夏や冬をしのぐ工夫、狭い土地を有効に使う知恵など、持続可能な暮らし方のヒントが詰まっています。
歴史遺産と観光、どう両立させるか
歴史的な村が注目を集めると、多くの場合、観光と保全のバランスが課題になります。西井峪村のように、景観全体が価値を持つ場所では、道路や施設を整備しすぎると、もともとの良さが失われてしまうおそれもあります。
一方で、若い世代が村を離れていくなかで、観光や文化体験をてこにして仕事を生み出し、暮らしを支えることも大切です。石造りの家を活用した小さな宿やカフェ、地域の歴史を伝えるガイドツアーなど、景観を壊さずに価値を共有する方法が鍵になっていきます。
2025年の視点で見る「石の村」の意味
2025年現在、世界各地で「ローカルな文化や景観をどう守り、どう未来につなぐか」が問われています。中国北部の西井峪村のような歴史文化集落は、その問いに具体的なヒントを与えてくれる存在です。
- 身近な自然資源を生かす建築と暮らし
- 景観そのものを次世代につなぐという発想
- 観光客と地域住民が共に価値を共有するあり方
スマートフォン一つで世界中の情報にアクセスできる時代だからこそ、石一つ一つに時間の重みが刻まれた村を、ゆっくり歩いてみたくなります。西井峪村の「石の物語」は、私たちがこれからどんな風景を残していきたいのかを考えるきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
Stone Village in Tianjin: Xijingyu's historic and modern appeal
cgtn.com








