天津でペルシャ猫が春節の門神に ヤンリウチン木版年画の物語 video poster
天津の伝統的な木版年画の博物館で、1匹のペルシャ猫が思わぬ主人公になりました。子どもと金色の鯉が描かれた色鮮やかな作品に引き寄せられた猫が、絵の中へ飛び込み、「天津メイク」で新年の守り神へと変身する――そんな遊び心あふれる物語を通じて、中国の春節文化と無形文化遺産の魅力が語られています。
ペルシャ猫が出会った「幸運の童子」と金色の鯉
物語の舞台は、天津にある伝統的な木版の年画を集めた博物館です。館内をさまよっていた好奇心いっぱいのペルシャ猫が足を止めたのは、カラフルな1枚の年画でした。そこには、福を運ぶ「幸運の童子」と、きらめく金色の鯉が描かれています。
ふわふわの猫は、堂々とした金色の鯉を見つめながら、「なんておいしそうで立派な魚だろう」とでも言いたげです。伝統的な吉祥のモチーフである子どもと鯉が、現代的でユーモラスな視点から描き直されているのが印象的です。
「天津メイク」で新年の守り神へと変身
やがて、作品の中の「幸運の童子」が猫を招き入れます。誘いに応じたペルシャ猫は、思い切って絵の中へジャンプ。そこで受けるのが「天津メイク」です。物語の中で猫は、ヤンリウチンの民俗的な意匠をまとい、民間信仰に根ざした新年の守り神として生まれ変わります。
新年の守り神は、家の門や玄関を守り、福を招き、災いを遠ざける存在として親しまれてきました。ペルシャ猫が門の守り手になるという設定は、伝統的な役割に現代的なキャラクターを掛け合わせた、柔らかくユーモラスなアレンジといえます。
ヤンリウチン木版年画が伝える春節の空気
この作品に登場するヤンリウチン木版年画は、中国の無形文化遺産として大切にされている芸術です。物語の紹介文でも、ヤンリウチンの年画は春節の精神を生き生きと表現する存在として描かれています。
今回のように、子どもや金色の鯉といった縁起物のモチーフを通じて、健康や富、家族の幸せなど、春節に人びとが願う思いが視覚的に表されます。博物館の空間でこうした年画と向き合うことで、来館者は旧正月特有の高揚感や、世代を超えて受け継がれてきた価値観に触れることができます。
物語仕立てでよみがえる無形文化遺産
今回の「天津メイク」の物語は、無形文化遺産であるヤンリウチン木版年画を、物語とキャラクターを通じて身近に感じてもらおうとする試みとして読むことができます。伝統そのものを難しい言葉で説明するのではなく、ペルシャ猫というユニークな案内役が、来館者や読者を自然と年画の世界へいざないます。
デジタルネイティブ世代にとっても、このアプローチは親しみやすいものです。
- かわいいキャラクター(ペルシャ猫と幸運の童子)が登場すること
- ストーリーを追ううちに、年画のモチーフや意味を理解できること
- 色鮮やかなビジュアルが、写真や動画としても共有しやすいこと
こうした工夫は、オンラインとオフラインをまたぎながら、無形文化遺産への関心を静かに広げるきっかけにもなります。
春節文化をどう楽しむかというヒントに
春節シーズンになると、年画や飾りつけは「なんとなく縁起が良さそうなもの」として目に入ってきますが、その背景にある物語まで意識する機会は多くありません。今回のペルシャ猫と「天津メイク」のエピソードは、そうした日常の風景に、もう一歩踏み込んで向き合ってみようという問いを投げかけているようにも見えます。
たとえば、自宅や職場で春節や旧正月をテーマにした飾りを見かけたときに、「このモチーフにはどんな願いが込められているのか」「もし自分が絵の中に入るなら、どんな役割になりたいか」といった視点で眺めてみると、会話のきっかけにもなります。
天津の博物館で生まれた、1匹のペルシャ猫の小さな冒険。その物語は、伝統文化を堅苦しいものではなく、参加しながら楽しめる「今につながる物語」として捉え直すヒントを与えてくれます。
Reference(s):
'Tianjin makeover' transforms Persian cat into New Year door guardian
cgtn.com








