ボッチャ女王ホー・ユンケイ:パリ金メダルから啓徳へ、止まらない挑戦 video poster
2024年パリ・パラリンピックでボッチャのBC3クラス混合個人と女子個人の2種目で金メダルを獲得したホー・ユンケイさん。今年(2025年)は、その勢いのまま啓徳スポーツパークで行われるナショナルゲームズに挑み続けています。
脊髄性筋萎縮症と生きるボッチャアスリート
ホー・ユンケイさんは、生まれつき脊髄性筋萎縮症という、筋力が徐々に低下していく病とともに生きてきました。それでも彼女は、その事実が人生の可能性を決めてしまうことを受け入れませんでした。
そこで出会った競技が、パラリンピック種目の一つであるボッチャです。ボールを投げたり転がしたりして、目標球にどれだけ近づけられるかを競うこの競技は、重度の運動機能障害のある選手も出場できるよう工夫されています。
ボッチャはホーさんにとって、単なるスポーツを超えた存在になりました。競技に打ち込むことで、自分の中にある集中力や戦略性、そして勝負への強い意志を発見し、自信と決意を育ててきたのです。
2024年パリ・パラリンピックでの二つの金メダル
その努力は、2024年のパリ・パラリンピックで大きく花開きました。ホーさんはボッチャのBC3クラスで、次の2種目を制しています。
- 混合個人BC3
- 女子個人BC3
男女混合で行われる種目と、女子だけが出場する種目の両方で頂点に立つことは、実力と安定感がなければ成し得ません。国際ニュースとしても注目されるパラリンピックの舞台で、彼女は「勝ち切る力」を世界に示しました。
BC3クラスは、補助具なども活用しながら精密なショットを積み重ねる高度な駆け引きの世界です。そこを戦い抜き、二つの金メダルを手にしたホーさんの姿は、多くの人に強い印象を残しました。
パートナー・ジェット・リーさんという支え
ホーさんの物語には、もう一人欠かせない存在がいます。それが、トレーニングと生活をともにするパートナー、ジェット・リーさんです。
ジェットさんは、
- 日々のトレーニングでともに汗を流すチームメート
- 試合に向けて精神面を支える心強いサポーター
- 競技生活も人生も分かち合う「家族」のような存在
という三つの役割を一人で担っています。大舞台で戦うには、競技技術だけでなく、日常の安定したサポートや、弱さを見せられる相手の存在が重要です。ホーさんの「止まらない挑戦」の背景には、この信頼関係があります。
啓徳スポーツパークのナショナルゲームズへ続く挑戦
2025年、ホーさんはパリで得た自信と勢いを携えて、啓徳スポーツパークで行われるナショナルゲームズの舞台に立とうとしています。世界の頂点を経験したうえで、国内の大きな大会に臨むことは、新たなプレッシャーと期待を伴う挑戦でもあります。
注目したいポイントは次のような点です。
- パリで磨かれたメンタルと戦術が、次の大会でどう発揮されるのか
- パートナーのジェットさんとともに、どのような準備を積み重ねていくのか
- 二つの金メダル後も「勝ち続ける」ために、どんな新しい課題に向き合うのか
華やかなメダルの陰には、日々の練習と調整の積み重ねがあります。ナショナルゲームズは、ホーさんにとって、パリの結果を「通過点」としてさらに前進できるかを試すステージにもなりそうです。
「止まらない女性たち」を照らす物語
ホー・ユンケイさんの歩みは、困難な状況にあっても情熱と努力で道を切り開く女性たちの姿と重なります。病とともに生きながらもスポーツで世界の頂点に立ち、さらに次の大会へと歩みを進める姿は、多くの人に「挑戦し続けること」の意味を問いかけています。
中国の伝統的な七夕である「七夕節」では、離れた二人が再び出会う物語が語られます。「This Qixi, celebrate grit, passion, and unstoppable women(この七夕に、不屈の情熱と止まらない女性たちを祝おう)」という英語のメッセージは、ホーさんとジェットさんの関係、そしてホーさん自身の生き方にも重なります。
国際ニュースの見出しだけでは見えてこない、一人のアスリートの物語。その細部に目を向けることは、障害の有無にかかわらず、人が互いに支え合いながら生きるとはどういうことかを考えるきっかけにもなります。
ボッチャコートで止まることを知らないホー・ユンケイさんの挑戦は、これからも多くの人に静かな勇気を届けていくはずです。
Reference(s):
cgtn.com








