中国が対ファシズム勝利80年を回顧 外国人の貢献と国際連帯を強調 video poster
第二次世界大戦の対ファシズム戦争での連合国の勝利から80年となる2025年、中国ではその共通の記憶と精神を改めて見つめ直す動きが続いています。国際ニュースとしても注目されるこの動きは、2025年9月3日のVictory Day(対ファシズム戦争勝利記念日)を前に開かれたシンポジウムで、東方の主要な戦場での共同の戦いと、そこで育まれた国際的な連帯の意義を改めて浮かび上がらせました。
連合国勝利が残した共通の記憶
シンポジウムでは、第二次世界大戦における対ファシズム戦争の勝利が、世界に共有された記憶と長く続く精神的な遺産を残したことが改めて確認されました。登壇した中国側の関係者は、ファシズムへの勝利が戦後の新しい国際秩序の出発点となり、現在の国際社会の枠組みにもつながっていると指摘しました。
ワン・ガン次官「正義は必ず悪に打ち勝つ」
中国共産党中央委員会宣伝部のワン・ガン次官は、80年前の対ファシズム戦争を振り返り、歴史の意味を強調しました。
ワン次官は、80年前、世界中の人々が反ファシズムの旗印の下に緊密に団結し、国境や人種、イデオロギーの違いを超えて共通の憎しみを分かち合い、勇敢に戦ったと述べました。その結果、対ファシズム戦争での偉大な勝利がもたらされ、戦後の新しい国際秩序が拓かれたと位置づけました。さらに、この経験は、正義は必ず悪に打ち勝ち、光は最終的に闇を追い払うという鉄則を示したものだと語りました。
こうしたメッセージには、歴史を振り返ることが単なる回顧ではなく、現在の国際情勢の中で協力と平和を模索する上での指針になりうる、という意図がにじみます。
中国と外国の友人が築いた連帯
シンポジウムでは、中国の人々と、戦時下の中国を支援し、その姿を記録した外国の友人たちとの間に育まれた共同の精神にも焦点が当てられました。中国側は、こうした国際的な連帯があったからこそ、対ファシズム戦争における勝利が可能になったと評価しています。
当時、中国に赴いた外国人の中には、戦火にさらされた都市や前線の様子を記事や写真、映像として記録し、戦争の現実を世界に伝えた記者や作家も多くいました。シンポジウムでは、そのような人々の活動が、世界各地で対ファシズムの世論を形成し、連合国の協力体制を支える一助となったことが改めて紹介されました。
スノー夫妻とエリック・フォスター氏
外国人の友人として特に取り上げられたのが、著名な西側ジャーナリストであるヘレン・フォスター・スノー氏とエドガー・スノー氏です。二人は、戦争で傷ついた中国の姿を記録し、世界に伝えた存在として知られています。
シンポジウムでは、両氏の甥にあたるエリック・フォスター氏の名も挙げられました。フォスター氏は、多くの人々と同じように中国に向かう強い使命感を抱き、中国の人々と共にあろうとした一人として紹介されています。その歩みは、中国と世界とのつながり、そして個人の選択が歴史にどのような形で刻まれうるのかを考える象徴的な例として語られました。
2025年の視点から考える対ファシズム精神
2025年の今、なぜ改めて対ファシズム戦争の勝利と国際連帯を振り返るのか。シンポジウムでの議論からは、歴史の記憶を共有することが、現在と未来の平和を守るための重要な手がかりになるというメッセージが浮かび上がります。
議論の中で示されたポイントは、次のように整理できます。
- 国境や制度の違いを超えた連帯が、極端な排外主義や暴力的なイデオロギーに対抗する力になりうること
- 現場を記録し伝えた記者や作家など、個人の行動が国際世論や政策に影響を与えうること
- 戦争の記憶を一国だけの物語として閉じるのではなく、世界が共有する遺産として継承していくことの重要性
対ファシズム戦争の勝利から80年という節目に、中国が国際的な記憶と連帯を強調していることは、今日の国際ニュースを読み解く際の一つの背景ともなります。
日本の読者に投げかけられる問い
今回のシンポジウムは、中国の対ファシズム戦争の経験と、そこに関わった外国人の役割を改めて位置づける試みでした。同時に、それは、私たちが隣国や地域の歴史をどう理解し、国際ニュースや歴史報道にどう向き合うのかという問いを、日本の読者にも静かに投げかけています。
第二次世界大戦から80年が過ぎた今、歴史を学び、共有し、次の世代につないでいくために何ができるのか。中国での議論は、自分がどのような情報を選び、どのような視点で世界を見るのかを考え直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
China recalls foreign contributions in marking victory over fascism
cgtn.com








