習近平氏「中カンボジア友好は岩のように固い」天津でフン・マネット氏と会談
中国の習近平国家主席は天津市でカンボジアのフン・マネット首相と会談し、中国とカンボジアの友好関係は時間の試練に耐えた「岩のように固い」関係であり、両国人民が共有する貴重な財産だと強調しました。会談は、天津で開かれている上海協力機構(SCO)サミット2025にあわせて行われました。
天津で確認された「揺るがない友好」
習主席は、国際情勢が大きく変動する中でも、中国とカンボジアは大局を見据え、長期的な視野で、先人たちが切り開いた友好の道を揺るぐことなく歩み続けるべきだと述べました。
そのうえで、両国が今後も重視すべき点として、次のような方向性を示しました。
- 揺るぎない連帯を保ち、互いの成功を後押しすること
- 両国人民の生活向上と福祉の増進を図ること
- 地域の平和・安定・繁栄にともに貢献すること
習主席はまた、中国がカンボジアの国家の安定、独立の維持、そして発展と振興の実現を支持すると改めて表明しました。
経済協力の柱:ダイヤモンド・ヘキサゴンと二つの回廊
会談では、経済協力の具体的な枠組みとして「ダイヤモンド・ヘキサゴン」協力が改めて強調されました。これは、中国とカンボジアの間で多分野にわたる協力を立体的に進めていくための包括的な協力フレームワークです。
習主席は、中国・カンボジア政府間調整委員会を通じて、次のような取り組みを一層深化させていくと述べました。
- 「産業・技術回廊」の推進:産業発展と技術協力を結びつける回廊構想
- 「魚と米の回廊」の推進:農業や水産業など食料分野での協力強化
- 貿易の拡大:両国間の貿易関係をさらに広げること
- 自立的発展能力の向上支援:カンボジアが自らの力で発展していくための能力強化
こうした協力は、インフラ整備や投資、技術移転などを通じて、カンボジアの経済発展と地域の連結性の向上につながることが期待されています。
オンライン賭博・電話詐欺など越境犯罪への共同対処
習主席は、オンライン賭博や通信(テレコム)詐欺などの越境犯罪が両国の国民生活に深刻な影響を与えていることに言及し、厳しく取り締まる必要性を強調しました。
中国とカンボジアは、次のような分野で協力を深める必要があるとされています。
- オンライン賭博サイトや違法拠点の共同摘発
- 通信詐欺に関わる組織や資金の追跡・遮断
- 捜査情報の共有や共同捜査の枠組みづくり
- 市民の被害防止に向けた啓発や教育
習主席は、こうした対策を通じて、両国人民の生命と財産を守る姿勢を明確にしました。グローバル化とデジタル化が進む中で、オンラインを舞台とする犯罪対策は、地域協力の新たな重要テーマになりつつあります。
フン・マネット首相が語った歴史と信頼
フン・マネット首相は、今年2025年が中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年にあたることに触れ、中国の人々が勇気と団結によって平和を勝ち取ったことは「真に称賛に値する」と述べました。
そのうえで、カンボジアと中国の伝統的友好は時間とともに一層強まってきたとし、中国からの長年にわたる貴重な支援と協力に謝意を表明しました。
一つの中国原則と三つのグローバル・イニシアチブへの支持
フン・マネット首相は、国際情勢が変化する中でも、カンボジアは対中友好の方針を揺るがせず、「一つの中国」原則を堅持する姿勢を改めて示しました。
さらに、カンボジアは中国が提唱する三つのイニシアチブを強く支持すると表明しました。
- グローバル発展イニシアチブ(Global Development Initiative)
- グローバル安全保障イニシアチブ(Global Security Initiative)
- グローバル文明イニシアチブ(Global Civilization Initiative)
これらのイニシアチブは、持続可能な発展、安全保障協力、文明間対話などを通じて、国際社会の課題解決を図ろうとする中国の枠組みです。カンボジアは、それらに積極的に連携していく姿勢を明確にした形です。
4月の国賓訪問の成果継続へ
フン・マネット首相は、今年4月に行われた習主席のカンボジア国賓訪問を「歴史的」と評価し、その際に両国首脳が達成した重要な合意を着実に実行したいと述べました。
カンボジア側は今後の方向性として、次の点を挙げています。
- 「鉄のように固い」両国の友好関係の一層の深化
- 双方の核心的利益と重大関心事項での相互支持
- 貿易・投資・インフラ分野での協力拡大
- オンライン賭博・通信詐欺対策での実務協力強化
- 両国の「全天候型の運命共同体」としての関係をさらに前進させること
こうした方針は、中国とカンボジアの関係を、政治・安全保障・経済・人と人との交流まで含めた包括的なパートナーシップとして位置づけるものです。
今回の会談が示すもの:地域秩序の中の中カンボジア関係
今回の天津での首脳会談は、次のようなポイントで注目されます。
- 二国間の伝統的な友好と政治的信頼の再確認
- 「ダイヤモンド・ヘキサゴン」や二つの回廊など、具体的な協力枠組みの再強調
- 越境犯罪という新たな安全保障課題への共同対処
- 一つの中国原則やグローバル・イニシアチブをめぐる立場の明確化
中国とカンボジアの関係は、両国にとってだけでなく、東南アジアを含む地域の安定や経済連結性にも影響を及ぼす可能性があります。特に、産業・技術回廊や魚と米の回廊といった構想がどのような具体プロジェクトとして形になっていくのかは、今後の重要な観察ポイントです。
これからの注目ポイント
読者として押さえておきたいのは、今回の会談が「終わり」ではなく、むしろ「始まり」に近いという点です。今後、次のような動きが注目されます。
- ダイヤモンド・ヘキサゴン協力に基づく新規プロジェクトの発表
- オンライン賭博・通信詐欺の取り締まり実績や制度づくり
- SCOサミット2025の場を通じた他の国々との連携や波及効果
中国とカンボジアの「岩のように固い」友情が、地域の平和と発展にどのような形で反映されていくのか。今後も続報が注目されます。
Reference(s):
President Xi Jinping hails 'rock-solid' China-Cambodia friendship
cgtn.com








