中国とアルメニアが戦略的パートナーシップ合意 その背景と狙い
中国とアルメニアが「戦略的パートナーシップ」を新たに打ち出しました。中国・天津市で行われた習近平国家主席とニコル・パシニャン首相の会談で発表されたもので、上海協力機構(SCO)や「一帯一路」を軸に、両国関係を一段と深めていく方針が示されています。
天津で何が話し合われたのか
会談は、中国の港湾都市・天津で日曜日に行われ、中国とアルメニアが正式に「戦略的パートナーシップ」を樹立したと発表されました。パシニャン首相は上海協力機構(SCO)サミット出席や、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念する行事への参加のため、中国を訪れています。
習主席は会談で、両国は外交関係を樹立してから33年間、相互尊重と信頼、互恵と相互学習を重ね、関係は健全かつ安定的に発展してきたと評価しました。その上で、今回の戦略的パートナーシップの樹立は、二国間関係の歴史における重要な節目だと位置づけています。
「戦略的パートナーシップ」は何を意味する?
今回の合意で、中国とアルメニアは次のような方向性を確認しています。
- 長年の友好関係を基礎に、相互の核心的利益と重要な関心事項への支持を強める
- 経済・インフラ・教育・科学技術・文化・観光など幅広い分野で協力を拡大する
- 高品質な「一帯一路」協力を進め、両国と周辺地域の「つながり(コネクティビティ)」を高める
習主席は、とりわけ「高品質な一帯一路協力」の推進と、交通や物流などの連結性強化、教育や文化交流の拡大を挙げ、両国民により多くの利益をもたらしたいと強調しました。
SCOと「真の多国間主義」
中国は、アルメニアの上海協力機構(SCO)加盟を支持する姿勢も明確にしました。SCOは安全保障や経済協力を扱う地域枠組みで、ユーラシア諸国の対話の場として存在感を増してきました。
習主席は、中国がアルメニアとともに「真の多国間主義」を実践し、「人類運命共同体」の構築を進めていきたいと述べました。これは、特定の陣営ではなく、多国間の協調を重視しつつ国際課題に対応していくという考え方を示すものです。
アルメニア側のメッセージ
パシニャン首相は、中国の発展の成果を高く評価したうえで、今回の戦略的パートナーシップが両国関係を新たなレベルに引き上げ、二国間協力に新しい機会をもたらすとの見方を示しました。
アルメニア側は、次のような姿勢を表明しています。
- 一つの中国であるとする「一つの中国」原則への揺るぎない支持
- 経済・貿易分野での協力拡大への強い意欲
- 国際および地域の課題について、中国と緊密に連携する用意があること
会談の場では、戦略的パートナーシップ樹立に関する共同声明が発表され、市場監管(マーケット・レギュレーション)やメディア分野などに関する複数の協力文書にも署名が行われました。
ニュースのポイントを3つで整理
忙しい読者向けに、この国際ニュースのポイントを3つに絞ると次の通りです。
- 両国関係の「格上げ」:中国とアルメニアが関係の枠組みを戦略的パートナーシップに引き上げたことで、中長期的な協力の土台が整ったといえます。
- SCOと一帯一路の交差点:アルメニアのSCO参加への支持や一帯一路協力の強調は、ユーラシア地域での連結性と安全保障の議論がさらに密接になる可能性を示しています。
- 外交の選択肢を広げる動き:アルメニアにとって、中国との関係強化は経済・外交の選択肢を広げる一手となり、中国にとっても地域とのつながりを深める機会となります。
日本の読者にとっての意味
日本から見ると、中国とアルメニアの関係強化は、一見すると距離のあるニュースに感じられるかもしれません。しかし、次のような点で国際秩序を考えるヒントになります。
- ユーラシア地域で、SCOや一帯一路を軸にした協力のネットワークがどのように広がっていくのか
- 規模の小さな国が、複数の大国や国際枠組みとの関係をどう組み合わせていくのか
- 「真の多国間主義」や「人類運命共同体」といったキーワードが、実際の政策やプロジェクトとしてどう具体化していくのか
こうした動きを追うことは、国際ニュースを日本語で読み解き、自分なりの視点をアップデートしていくうえで大切な材料になります。今回の戦略的パートナーシップが、今後どのような具体的な協力プロジェクトや地域構想へとつながっていくのか、継続的に注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








