Qixi(七夕節)がゲーム世界で拡大 中国オンラインゲームの新トレンド video poster
2025年8月29日、中国本土のオンラインゲーム『JX3 Online』の16周年カーニバルで、中国の七夕節(Qixi)、いわゆる中国版バレンタインデーをテーマにした特別イベントが開かれました。会場では、長年ゲーム内でパートナーとして過ごしてきたプレイヤー同士が、多くの観客の前でプロポーズを行い、その様子がオンラインでも配信されました。
この一場面は、ゲームの中の出来事が、現実の人生の節目と密接に結びつき始めていることを象徴しています。長寿MMORPGとして知られる『JX3 Online』の武侠世界・江湖は、単なるバーチャル空間を超えて、プレイヤー同士の絆やコミュニティを育てる場になっているのです。
七夕節がゲームの主役に
今年の七夕節には、『JX3 Online』だけでなく、『原神(Genshin Impact)』『王者栄耀(Honor of Kings)』『Delta Force: Hawk Ops』といった人気タイトルも、七夕をテーマにしたゲーム内イベントや特別コンテンツを展開しました。
それぞれのゲームは、七夕節にまつわるストーリーや限定クエスト、特別なアイテムなどを通じて、プレイヤーに季節感と祝祭の雰囲気を届けています。こうした動きは、中国本土のゲーム業界で、伝統行事をゲームデザインに取り込む流れが広がっていることを示しています。
プレイヤーが感じる「祝う楽しさ」
七夕節イベントは、単に限定アイテムを販売するだけの仕組みではありません。『JX3 Online』の長年のプレイヤーであるMo Daoさんは、「JX3で友人たちと七夕を祝うのがとても好きです。テーマ付きのクエストのおかげで、祭りが生き生きと感じられます。正直、ゲームを始める前は七夕を祝ったことはほとんどありませんでした」と話します。
この言葉からは、ゲーム内イベントが、プレイヤーにとって新しい「年中行事」のような役割を果たしつつあることがうかがえます。現実世界では特に意識してこなかった伝統行事でも、ゲームを通じて身近になり、友人との思い出として刻まれていくのです。
ゲーム内に広がる「フェスティバル経済」
こうした七夕節イベントは、文化体験であると同時に、ゲーム運営にとって重要なビジネスの機会にもなっています。限定コスチュームや装飾アイテム、特別なストーリーへのアクセスなどをセットにした有料コンテンツは、プレイヤーに強い購入動機を生み出します。
業界関係者の間では、祝祭に合わせてゲーム内の消費が活発になる流れを「フェスティバル経済」と呼ぶ声もあります。物語性のあるイベントと収益化の仕組みをどう両立させるかは、オンラインゲーム運営にとって現在進行形の課題であり、七夕節イベントはその最前線ともいえます。
デジタル時代の伝統文化という視点
今回の『JX3 Online』のプロポーズのように、ゲームの中での出来事が現実の人生と交差する場面は、今後さらに増えていく可能性があります。祝祭日のたびにゲーム内で集まり、物語を進め、スクリーンショットを共有することが、若い世代にとっての新しい「風物詩」になりつつあります。
日本でも、多くのゲームがハロウィーンやクリスマス、バレンタインデーなどに合わせたイベントを展開していますが、中国本土のタイトルが七夕節などの伝統行事を前面に押し出している点は、文化の継承という意味でも注目に値します。2025年も終わりに近づくなか、七夕節をめぐるゲーム内の動きは、デジタル空間が伝統文化を再解釈し、次の世代へ伝えていく一つのモデルとして見ることができます。
これからのオンライン祝祭に何を望むか
ゲーム内の祝祭イベントは、うまく設計されれば、プレイヤー同士のつながりを深め、伝統行事への関心を高めるきっかけになります。一方で、課金要素が強くなりすぎると、祝う楽しさよりも「逃すと損をする」というプレッシャーが前面に出てしまう懸念もあります。
七夕節をはじめとする伝統行事をゲームでどう表現し、どのような体験として届けるのか。『JX3 Online』や『原神』『王者栄耀』などの事例は、オンラインゲームが文化とビジネスの両面で新しいバランスを探っていることを示しています。プレイヤーとしても、「どんな祝祭体験なら友人にすすめたくなるか」を考えながら、次のイベントを迎えることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








