習近平氏「偉大な抗戦精神」論文、党機関誌に掲載へ
習近平氏の「偉大な抗戦精神」論文、党機関誌に掲載へ
中国共産党中央委員会総書記の習近平氏(国家主席、中央軍事委員会主席を兼任)が、中国人民抗日戦争で育まれた「偉大な抗戦精神」を取り上げた論文を発表します。論文は、民族の復興に向かう歩みの中で、この精神をどう受け継ぎ、現代に生かすかを論じているとされています。
この論文は、中国共産党中央委員会の旗艦理論誌「求是」第17号に掲載される予定で、中国の歴史観や国際社会との関係に関心を持つ読者にとっても重要な国際ニュースとなりそうです。
2014年〜2025年の発言をもとに構成
求是に掲載される論文は、習近平氏が2014年7月から2025年5月までの間に行った関連発言から抜粋し、再構成したものとされています。約10年以上にわたる発言を束ねることで、中国指導部が長期的な視野で示してきた歴史への向き合い方が整理される形です。
中国人民抗日戦争は「近代最大の対外侵略との戦い」
論文が取り上げる中国人民抗日戦争は、近代における中国人民の最も長く、最大規模の対外侵略との戦いだったと位置づけられています。論文によれば、この戦いは「最大の犠牲」を伴いつつも、「民族解放における最初の完全な勝利」をもたらしたとされています。
さらに、この勝利は中国という一国の枠を超え、世界反ファシズム戦争の勝利の重要な一部を成した、と論文は強調します。習氏は、「それは中国人民にとっての勝利であり、世界の人々にとっての勝利でもあった」と述べています。
歴史の転換点としての勝利
論文は、中国人民抗日戦争の勝利を、中国民族が近代の危機の淵から抜け出し、「偉大な復興」への道を歩み始める歴史的な転換点として描いています。危機から復興へというストーリーは、論文全体を貫く重要な流れとなっています。
中国共産党の「中核的役割」を強調
この勝利を導いた要因として、論文は中国共産党の「中核的な役割」を強調します。具体的には、
- 明確な政治的立場
- 揺るがない意志
- 模範的な行動
といった点が、戦争遂行を支えたとしています。党の指導力が大規模な抵抗運動をまとめ上げる原動力になったというメッセージが込められています。
歴史の否定や歪曲に対する強い警戒
論文は、中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利という歴史的成果は「疑う余地のないもの」であると強調します。そのうえで、侵略の歴史を否定したり、歪めたり、軽視したりしようとするいかなる試みに対しても、中国人民だけでなく世界の人々は決して受け入れないと主張しています。
こうしたメッセージは、「歴史をどう記憶し、次世代に伝えるか」というテーマがいまも国際社会にとって重要であることを示しています。歴史認識の問題は、一国の内政にとどまらず、周辺地域や世界との関係にも影響を与えるからです。
「偉大な抗戦精神」とは何か
論文がキーワードとして掲げるのが、中国人民抗日戦争で育まれた「偉大な抗戦精神」です。この精神は、困難や障害を乗り越えていく原動力として位置づけられており、現在の中国本土が目指す民族復興の歩みを支えるとされています。
論文は、人々に対して次のような姿勢を呼びかけています。
- 必要なときには勇気をもって戦うこと
- 新しい道を切り開くために絶えず革新すること
- 最終的な勝利に至るまで粘り強く努力を続けること
こうした価値観を戦争の歴史と重ね合わせ、「過去の犠牲と勝利を、現在と未来の行動につなげていくべきだ」というメッセージが込められています。
民族復興への歩みと、私たちが考えたいこと
論文の目的は、過去を振り返ることだけではありません。歴史から生まれた精神を、今後の国家建設や社会の発展にどう結びつけるかを提示している点に、今回のメッセージの重心があります。
日本語で国際ニュースを追う私たちにとっても、
- 戦争の記憶をそれぞれの社会がどう位置づけているのか
- 歴史認識が、現在の外交や安全保障の議論にどう影響しているのか
- 過去の対立の記憶を、対話や協力のエネルギーに変えられるのか
といった問いは、決して他人事ではありません。
習近平氏の論文は、中国本土の歴史観と目標とする民族復興のビジョンを読み解く手がかりとなります。今後、求是に掲載される全文や国内外での受け止めを丁寧にフォローしながら、東アジアの歴史と未来について、落ち着いて考えていくことが求められていると言えそうです。
Reference(s):
Xi's article on great spirit of resisting aggression to be published
cgtn.com








