習主席「中国とインドは協力パートナー」天津会談の狙い video poster
中国の習近平国家主席は、インドのナレンドラ・モディ首相と今週、中国北部の都市・天津で会談し、中国とインドはライバルではなく協力パートナーだと強調しました。上海協力機構(SCO)首脳会議2025を前に行われたこの会談は、緊張と協力が交錯してきた中印関係の今後を占う重要な一歩となります。
天津での首脳会談、何が語られたのか
習主席は会談の冒頭、中国とインドは互いの発展にとって脅威ではなく機会であり、この大きな方向性を堅持する限り、中印関係は安定的かつ長期的な発展を続けることができると述べました。
両首脳の会談は、SCO首脳会議2025に先立って天津で行われました。習主席は、中国とインドを東洋の二つの古代文明であり、世界で最も人口の多い国同士として、グローバルサウスを代表する重要な存在だと位置づけました。そして、両国は自国の人々の生活向上だけでなく、途上国の団結と再生、人類社会全体の進歩に対しても重要な責任を負っていると強調しました。
龍と象の協奏曲という比喩
習主席は、中国とインドが目指すべき関係を、龍と象がともに踊る協調的な二重奏になぞらえました。両国は良好な隣人であり、互いの成功を支え合うパートナーになるべきだというメッセージです。
この比喩には、単なる対立や競争ではなく、互いの違いを認めつつ共に歩む関係を選び取ろうという意図がにじみます。軍事力や経済力で注目されがちな両国関係を、より長期的で文明論的なレベルに引き上げようとする試みとも受け取れます。
外交関係樹立75周年と四つの協力軸
2025年は、中国とインドの国交樹立から75周年に当たります。習主席はこの節目の年に、両国が長期的かつ戦略的な視点から関係をとらえ、持続的で健全な発展を実現すべきだと呼びかけました。その際に示されたキーワードは、次の四つに整理できます。
- 戦略的コミュニケーションの強化:首脳間や高官級の対話を通じて相互信頼を深めること。
- 交流と互恵協力の拡大:経済や人文交流など幅広い分野でウィンウィンの協力を進めること。
- 相互の懸念への配慮と国境地域の安定:それぞれの懸念に耳を傾け、国境地域の平和と安寧を守ること。国境問題が中印関係全体を規定してはならないと強調しました。
- 多国間協調の強化:国際社会の場で連携を深め、共通の利益を守ること。
習主席はまた、両国の先人たちが70年以上前に提唱した平和五原則を大切にし、それを堅持していく必要性にも言及しました。これは、主権尊重や内政不干渉などを柱とする外交理念であり、中印両国が共有してきた外交の土台とされています。
モディ首相の応答:一致は相違を上回る
モディ首相も会談で、中国とインドはライバルではなくパートナーであり、両国の間には意見の相違よりも合意点の方がはるかに多いと述べました。
世界経済の先行きに不透明感が強まる中で、世界の重要な経済として両国が協力を強めることが極めて重要だという認識も示しました。国境問題については、公平で合理的、かつ双方に受け入れ可能な解決策を追求する用意があるとし、対話を通じた解決に前向きな姿勢を示しました。
さらにモディ首相は、中国とインドはいずれも戦略的自律性と独立した外交政策を追求しており、両国関係はいかなる第三国の影響も受けないと強調しました。両国が手を携えることで、国際社会における多国間主義の力が強まるとの見方も示しています。
グローバルサウスと多極化する世界へのインパクト
今回の会談では、グローバルサウスや国際秩序に関する認識も共有されました。習主席は、中国とインドが途上国の連帯と再生を後押しし、人類社会全体の進歩を促す責任を負っていると述べました。
両首脳は、多極化する世界や国際関係の民主化に向けて連携していくことにも言及しました。ここでいう多極化とは、特定の国や地域に力が集中するのではなく、複数の中心が共存する国際秩序を指します。中印両国が連携すれば、国際社会におけるグローバルサウスの発言力が高まる可能性があります。
今後の焦点:国境の安定と協力の具体化
今回の会談を受けて、中印関係の今後の行方を考えるうえで注目されるポイントはいくつかあります。
- 国境地域の安定維持:両首脳が国境地域の平和と安寧を確認したことが、現場レベルの緊張緩和や信頼醸成措置につながるかどうか。
- 経済協力の具体像:モディ首相が世界経済の不確実性に触れつつ協力強化の重要性を語ったことを受け、貿易や投資などでどのような具体的プロジェクトが進むのか。
- 多国間の場での連携:SCOや他の国際会議の場で、中印両国がどのような形で共通の立場を打ち出し、グローバルサウスの利害をどう反映させていくのか。
天津での会談は、すべての懸案を一度に解決するものではありませんが、両国首脳があらためて協力の方向性を確認したという意味で、今後の中印関係を読み解く重要な手がかりとなります。競争と協力が複雑に絡み合うアジアの国際関係の中で、中印両国がどのようなバランスを模索していくのかが引き続き注目されます。
Reference(s):
President Xi: China and India are cooperation partners, not rivals
cgtn.com








