CMG「新学期第一課」2025 戦争英雄をたたえる80年目の授業
中国メディアのChina Media Group(CMG)は、きょう12月8日(月)、新学期恒例の大型公共番組「First Lesson of the School Year」の2025年版を放送しました。中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年を記念し、戦争英雄の物語をデジタル技術で伝える試みが注目を集めています。
2025年版「新学期第一課」 戦争勝利80周年をテーマに
2025年の「First Lesson of the School Year」は、「記憶し、努力する」という意味を込めたテーマ「remembering and striving」を掲げ、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年に焦点を当てています。番組は公共サービスとして企画され、若い世代に歴史を学び、未来に向かって努力する姿勢を育むことを狙いとしています。
番組では、歴史的出来事を単なる年表としてではなく、「いま生きている若者の物語」として感じられるよう、構成や演出が工夫されています。教室の外で行われる「特別授業」のような位置づけです。
テーマは「remembering and striving」 若い世代に託されるメッセージ
今回の番組が掲げるキーワードは「remembering and striving(記憶し、前へ進む)」です。
- 歴史を「忘れない」こと
- 犠牲となった人々や戦争英雄への「敬意」を持つこと
- 過去から学び、「未来に向けて努力する」こと
こうしたメッセージを、CMGはストーリーテリング(物語を用いた伝え方)を通じて若い視聴者に届けています。単に「過去を振り返る」だけでなく、視聴者一人ひとりのこれからの生き方と結びつけようとしている点が特徴です。
デジタルシナリオと没入型ストーリーテリング
番組の大きな特徴のひとつが、デジタル技術を駆使した演出です。戦時中の物語を、現代の若者になじみのある「デジタルシナリオ」と「没入型ストーリーテリング」という形で再現しました。
没入型ストーリーテリングとは、視聴者がまるでその場にいるかのように感じられる演出方法のことです。映像や音響、ナレーションを組み合わせることで、歴史上の場面に自分も参加しているような感覚を生み出します。スマートフォンや動画配信に慣れた世代にとって、こうしたアプローチは歴史をより身近に感じる手がかりになりそうです。
AI画像復元でよみがえる若者たちの姿
今回の番組では、AI(人工知能)による画像復元技術も活用されました。歴史資料として残されている若者の抵抗組織などの白黒写真を、AIが解析し、色彩や細部を補って、鮮やかなカラー画像として再現したとされています。
復元された画像は、静止画にとどまらず、「動き」のあるダイナミックな映像としても表現されました。これにより、
- 当時の若者の表情や服装、周囲の風景がよりリアルに伝わる
- 視聴者が自分と同年代の人々が歩んだ歴史をイメージしやすくなる
- 歴史の資料が「遠い昔のもの」ではなく、「いまにつながる物語」として感じられる
といった効果が期待されています。AI技術が「記録」と「記憶」をつなぐ新しいツールとして使われている点は、テクノロジーに関心の高い読者にとっても注目すべきポイントです。
戦争英雄が語る「生の体験」
番組には、戦争の時代を生き抜いた英雄たちも登場し、自らの戦闘経験を語りました。教科書や資料では読み取れない、当時の緊張感や仲間への思い、日常の細かなエピソードなどが語られることで、歴史はより立体的なものとして伝わります。
こうした「生の声」は、
- 歴史を抽象的な概念ではなく、具体的な人間の物語として理解する手がかりになる
- 視聴者が自分の家族や地域の歴史にも関心を広げるきっかけとなる
という意味でも重要です。戦争体験者の高齢化が進むなか、証言をどう受け継いでいくかは、多くの社会で共通する課題となっています。
国際ニュースとして見る「記憶の継承」
今回の番組は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年をテーマにしています。これは、特定の国だけでなく、世界が経験した戦争と平和の歴史をどう記憶し、どう次世代に伝えるかという、普遍的な問いとも重なります。
国際ニュースとして見たとき、
- 戦争と平和の記憶を共有する試み
- 若い世代に歴史と向き合う機会を提供するメディアの役割
- デジタル技術を活用した新しい歴史教育のかたち
といった観点から、この番組は位置づけることができます。日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、歴史とテクノロジー、教育が交差する興味深い事例といえるでしょう。
このニュースから私たちが考えられること
CMGの「First Lesson of the School Year」2025年版は、歴史の記憶とデジタル技術、そして若い世代の学びをどのようにつなぐかという問いに、一つの答えを示しています。
番組の内容に触れながら、私たち自身も次のようなことを考えてみることができそうです。
- 自分の身近なところで、どのように歴史が語り継がれているのか
- テクノロジーは、記憶を風化させるのか、それとも支える道具になりうるのか
- 「remembering and striving」という言葉を、日々の仕事や学びにどう結びつけられるか
ニュースをきっかけに、家族や友人、オンラインコミュニティで歴史や平和について話してみることも、次の世代への「第一課」になるのかもしれません。
Reference(s):
CMG's annual special for new school year commemorates war heroes
cgtn.com







