天津SCOサミットで光る無形文化遺産 年画と泥人形がつなぐ交流 video poster
天津で開かれている上海協力機構(SCO)サミットをきっかけに、同市の無形文化遺産をめぐる国際的な文化交流が静かに注目を集めています。パキスタンやロシアからの参加者が、年画や泥人形、ジャスミン茶といった天津の伝統文化に触れ、「共有の精神」と「共有の遺産」を実感しています。
SCOサミットの舞台・天津で文化交流が主役に
今回のSCOサミットの開催地となった天津では、会議や外交だけでなく、地域の無形文化遺産を知ってもらう場づくりも進んでいます。フォークアート(民芸)やお茶文化を通じて、各国の参加者が互いの価値観に触れ、理解を深める動きです。
パキスタンからの視点:楊柳青木版年画に込められた祈り
パキスタン出身のズーン・アフメド・カーンさんは、天津の代表的な伝統工芸である「楊柳青木版年画」の世界に飛び込みました。色鮮やかな年画の一筆一筆には、長い歴史の中で育まれてきた象徴や願い、祝祭の空気が込められています。
カーンさんは、職人の手元を間近で見ながら、図柄に込められた意味や、年画が新年の喜びを分かち合うための「縁起物」として親しまれてきた背景に触れました。こうした体験は、単なる観光ではなく、地域社会の記憶や価値観に入り込む入口でもあります。
ロシアからの出会い:泥人形張が語る日常と物語
ロシア出身のサリオノワ・アリナさんは、「泥人形張」として知られる天津の人形づくりの技に出会いました。この工芸は、歴史上の人物や民話の主人公だけでなく、日々の暮らしの一場面まで、粘土を通じていきいきと表現するものです。
小さな人形の表情や仕草には、ユーモアや温かさが宿り、天津の人びとの生活感覚がにじみ出ています。アリナさんにとっても、それは教科書やニュースでは見えにくい「街の素顔」とつながる体験になったといえます。
香りで出会う天津:ジャスミン茶が映す日常の温かさ
二人の旅路は、天津のジャスミン茶に出会うことで、さらに広がりました。ふわりと香るジャスミンの花の香りと、落ち着いたお茶のうま味。その一杯には、都市としての洗練さと、日常に根づくおもてなしの心が重なっています。
テーブルを囲んでお茶を分かち合う時間は、言葉や国境を超えたコミュニケーションの場でもあります。短い時間でも、互いの文化や価値観について自然に語り合える「余白」が生まれるからです。
無形文化遺産がつなぐ「共有の精神」
年画、泥人形、ジャスミン茶――これらはいずれも天津の無形文化遺産として受け継がれてきたものです。その背景には、創造性(クリエイティビティ)、困難の中でも続けてきたたくましさ、そして家族やコミュニティを大切にする価値観が息づいています。
今回のSCOサミットを通じた交流は、こうした地域の文化が、特定の土地だけの宝ではなく、国と国、人と人をつなぐ「橋」になりうることを示しています。参加者の目を通して見た天津の文化は、共感や対話を生み出す共有財産として、新たな意味を帯びつつあります。
日本でも、祭りや伝統工芸などの無形文化が、地域のアイデンティティを形づくり、海外との交流のきっかけになっています。天津の事例は、私たち自身の足元にある文化をどう未来につなぎ、世界と分かち合っていくのかを考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








