ロシア戦争映画「Blood Type」が中国で公開 孤児と戦争犯罪を描く
ロシアの戦争映画「Blood Type」が、中国の観客に向けて劇場公開されました。旧ソ連の孤児をめぐる重い歴史を描きつつ、中国でどのように受け止められるのでしょうか。
ロシア映画「Blood Type」、中国で9月公開
ロシア映画「Blood Type」は、旧ソ連の孤児たちが第二次世界大戦中、負傷したドイツ兵のための「血液提供者」として扱われた出来事を題材にした作品です。中国の観客に向けて、9月5日に映画館で公開されました。
物語の詳細は明らかにされていませんが、戦争の残酷さや、もっとも弱い立場に置かれた子どもたちの犠牲に焦点を当てた戦争映画であることがうかがえます。
北京プレミアで強調された「記憶」と「犠牲」
公開に先立ち北京で行われたプレミア上映会には、ロシアの大手メディア企業 Gazprom-Media Holding(ガスプロムメディア・ホールディング)の最高経営責任者(CEO)、アレクサンドル・ザロフ氏が登壇しました。
ザロフ氏はあいさつの中で、この作品について次のように語りました。
「本作を中国の皆さんに紹介できることを光栄に思います。この映画は、歴史と戦争犯罪の犠牲者を思い起こさせる作品です。旧ソ連は1941〜45年の大祖国戦争でドイツのファシズムに勝利し、中国は抗日戦争の中で独立を守りました。両国の人びとの犠牲は決して忘れられてはなりません。」
ザロフ氏の発言からは、この映画が単なるエンターテインメントではなく、「戦争の記憶を次の世代にどう伝えるか」という問いを観客に投げかける作品として位置づけられていることが分かります。
戦争映画が投げかける問い
戦争から時間がたつほど、当事者として記憶を語れる人は少なくなっていきます。その一方で、映画やドラマ、ドキュメンタリーといった映像作品は、記憶を「物語」として共有し続けるための重要な手段になっています。
「Blood Type」は、戦場の兵士ではなく、名前も残らない孤児たちの視点から戦争を見る作品だとされています。その構図は、「誰の犠牲の上に戦争が成り立っているのか」「戦争犯罪とは何か」という問いを、中国を含む多くの観客に投げかけることになるでしょう。
中国の観客にとっての意味
ザロフ氏がスピーチの中で、中国の抗日戦争に言及したことは象徴的です。旧ソ連と中国は、それぞれ別の戦場でファシズムや侵略と戦い、多くの犠牲を払ったという共通点を持っています。
その記憶を共有する文脈の中で、ロシアの戦争映画が中国のスクリーンにかかることは、「過去を忘れない」というメッセージを国境を超えて確認し合う試みとも受け取れます。
「忘れない」ための文化交流としての映画
国際ニュースとして見たとき、今回の「Blood Type」の中国公開は、歴史や戦争をテーマにした文化交流の一例と言えます。国家間の関係が複雑さを増す時期であっても、映画を通じた対話は比較的柔らかな形で続けることができます。
戦争映画は、ときに観る人を重い気持ちにさせます。しかし同時に、「二度と繰り返さないために、何を学ぶべきか」を静かに考えさせてくれるメディアでもあります。ロシアの「Blood Type」が、中国の観客にどのような議論や感情を呼び起こすのか。公開から時間がたつなかで、その受け止め方にも注目が集まりそうです。
Reference(s):
Russian media company chief promotes war-themed film in China
cgtn.com








