習近平国家主席、中国とタジキスタンの協力拡大を呼びかけ デジタル経済や安全保障も
中国の習近平国家主席は火曜日、タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領と会談し、中国とタジキスタンの開発戦略をより深く連携させ、経済から安全保障、グローバル・ガバナンスまで幅広い分野で協力を拡大していく方針を示しました。
会談のポイント:開発戦略の「すり合わせ」
習近平国家主席は会談で、両国の首脳による戦略的な指導のもと、中国とタジキスタンの協力は継続的に成果を上げてきたと評価しました。中国はすでにタジキスタンにとって最大の貿易相手となっており、一連の協力プロジェクトも新たな進展を見せていると強調しました。
そのうえで習主席は、中国とタジキスタンは包括的戦略パートナーとして、「中国・タジキスタン運命共同体」の構築に向けて手を携えて進んでいく用意があると述べ、両国の開発戦略をより深く「すり合わせる」ことの重要性を訴えました。
経済・インフラ協力:NEVからデジタル経済まで
経済面では、習主席は中国として、より多くの中国企業がタジキスタンへの投資に参加することを後押ししたいと表明しました。その具体的な方向性として、次のような分野での協力拡大が挙げられています。
- 新エネルギー車(NEV)産業
- デジタル経済
- インフラ開発・連結性強化
- グリーン・低炭素分野
さらに、災害予防・減災、医療・ヘルスケア、文化、教育など、人と人の交流に直結する分野での協力や対話を深めていく考えも示しました。
ラフモン大統領も、中国との関係を重視していると述べ、両国の協力強化は共通の利益にかなうと指摘しました。そのうえで、一つの中国の原則を堅持する立場を改めて表明し、経済・貿易、グリーン経済、デジタル経済、インフラ建設など幅広い分野で中国との協力を強め、中国企業の投資・ビジネス展開を歓迎する姿勢を示しました。
安全保障協力と「三つの勢力」への対処
安全保障面では、習主席は両国が引き続き対テロ協力を前進させる必要性を強調しました。具体的には、テロリズム、分裂主義、過激主義という「三つの勢力」と呼ばれる脅威と共同で戦い、両国の共通の戦略的利益を守っていくべきだと呼びかけました。
ラフモン大統領は、中国が上海協力機構(SCO)の輪番議長国として積極的な役割を果たし、地域の平和と安定に重要な貢献をしていると評価しました。この評価は、中国とタジキスタンが二国間のみならず、多国間の枠組みを通じても安全保障協力を進めていることを示しています。
グローバル・ガバナンスとGGI:より公正で合理的な国際秩序へ
習主席は、両国が多国間の場でも連携を深め、グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)を共に実行し、より公正で合理的な国際ガバナンス体制の構築を進めるべきだと述べました。GGIは、国際社会のルールづくりや制度設計において、開発や安全保障、技術などさまざまな課題に多国間で対応しようとする取り組みです。
ラフモン大統領は、習主席が提唱するGGIについて、「世界的指導者のビジョンと責任感を体現している」と評価し、タジキスタンとして完全に支持する考えを示しました。そのうえで、中国と協力してイニシアチブの実施を進め、国際ガバナンスをより合理的かつ効果的なものにしていきたいと述べました。
歴史への言及と世界平和へのメッセージ
習主席は会談のなかで、中国とタジキスタンの両国が第2次世界大戦の勝利のために大きな犠牲を払ったと振り返り、その成果を断固として守るべきだと強調しました。そして、世界の平和と発展という崇高な事業をともに前進させていく必要があると述べました。
ラフモン大統領は、中国人民の抗日戦争勝利80周年に祝意を表し、人類は歴史を記憶し、より良い未来を築いていかなければならないと語りました。歴史への言及は、単なる追悼にとどまらず、現在と未来の国際秩序をどう形づくるかという文脈とも結びついています。
新たに署名された協力文書の意味
今回の会談に合わせて、両国は連結性、グリーン・低炭素開発、デジタル経済の分野で複数の二国間協力文書に署名しました。具体的な内容は今後明らかになっていくとみられますが、少なくとも次のような方向性が示されたと言えます。
- 人・モノ・サービス・データの流れを支えるインフラや制度の整備
- 環境負荷を抑えた経済成長モデルへの転換
- 行政や産業のデジタル化を通じた効率化と新産業の育成
こうした分野は、多くの国や地域が注目しているテーマでもあり、中国とタジキスタンの協力の進み方は、地域の経済構造やデジタル・インフラの姿を左右する一つの要素になっていきそうです。
日本の読者にとっての意味合い
今回の中国とタジキスタンの会談は、一国間のニュースにとどまらず、次のような問いを日本の読者にも投げかけています。
- デジタル経済やグリーン・低炭素分野で、各国がどのように連携し、ルールづくりを進めていくのか
- テロ対策や安全保障協力が、地域の安定と経済発展にどうつながっていくのか
- 歴史認識と国際協力をどのように結びつけ、平和と発展を実現していくのか
経済、テクノロジー、安全保障、歴史という異なるテーマが一つの会談のなかで交差している点に、このニュースの広がりがあります。今後、具体的なプロジェクトや協力の成果がどのような形で現れてくるのか、引き続き注目されます。
Reference(s):
Xi urges China, Tajikistan to promote cooperation in various fields
cgtn.com








