中国とウズベキスタン首脳が北京で会談 鉄道計画とAI協力で関係を深化
2025年の上海協力機構(SCO)サミットに合わせて中国を訪れているウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が、火曜日に北京で習近平国家主席と会談しました。中国とウズベキスタンは、鉄道建設から人工知能(AI)、安全保障協力まで幅広い分野で連携を深める方針を確認しました。
- 中国とウズベキスタンが「全天候型包括的戦略的パートナーシップ」をさらに発展させる方針を確認
- 中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道やAI、グリーンエネルギーなど多分野で協力を拡大
- 国連を中心とする国際秩序やグローバル・ガバナンス分野での連携強化も打ち出されました
80周年記念行事とSCOサミットが舞台
ミルジヨエフ大統領は、上海協力機構サミット2025への出席に加え、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する行事にも参加するため、中国を訪れています。第二次世界大戦の勝利から80年を迎える節目の年に、中国とウズベキスタンが関係強化を打ち出した形です。
会談で習近平国家主席は、中国がウズベキスタンの主権、安全、そして発展利益の維持を支持すると強調しました。そのうえで、両国の開発戦略の連携を加速し、インフラや新技術を含む幅広い分野で協力を進める考えを示しました。
インフラからAIまで 協力分野は幅広く
今回の首脳会談では、中国とウズベキスタンの協力を具体化する分野が多岐にわたって示されました。習主席は、次のような分野での連携を挙げています。
- 開発戦略の連携加速
- 中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道プロジェクトの建設推進
- 共同の科学研究
- グリーンエネルギー
- 医療・ヘルスケア
- 緊急事態対応(エマージェンシー・マネジメント)
- 人工知能(AI)
- 貧困削減
- 文化・教育・観光・地方レベルでの交流
中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道の意味
特に注目されるのが、中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道プロジェクトです。中央アジアを貫くこの鉄道構想が本格的に進めば、中国とウズベキスタンを含む地域の物流ネットワークや経済圏に、大きな影響を与える可能性があります。会談では、この鉄道建設を前進させる意思があらためて確認されました。
AI・グリーンエネルギー・医療での協力
また、人工知能やグリーンエネルギー、医療・ヘルスケア、貧困削減といった分野も協力の柱として位置づけられました。これらは、各国が持続可能な発展を目指すうえで重要性が高まっているテーマであり、中国とウズベキスタンが新しい成長分野をともに開拓していく方向性が示されたと言えます。
文化、教育、観光、地方都市どうしの交流など、人と人のつながりを強める分野にまで協力が広がっている点も特徴です。経済や安全保障だけでなく、ソフト面での関係強化を図る姿勢がうかがえます。
安全保障協力 三つの悪への対応
会談では、安全保障分野での協力も重要なテーマとなりました。習主席は、中国とウズベキスタンが設置している法執行・安全保障協力メカニズムを活用し、いわゆる三つの悪とされるテロリズム、過激主義、分離主義と共同で戦う必要性を強調しました。
両国は、この枠組みを通じて、安全保障上のリスクや新たな課題に対応していく方針です。中央アジア地域は、地政学的に重要な位置にある一方で、治安や安全保障の課題も抱えています。そうした中で、法執行機関どうしの協力を強めることは、地域の安定にとっても意味を持つとみられます。
国連を中心とした国際秩序とグローバル・ガバナンス
習主席は、中国とウズベキスタンが、国際連合を中心とする国際システムをしっかりと守り、真の多国間主義を実践していくべきだと指摘しました。そのうえで、中国が提唱するグローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)を共同で実行し、第二次世界大戦の勝利の成果を守り、得られた平和と安定を維持する必要性を強調しました。
ミルジヨエフ大統領は、中国が長年にわたりウズベキスタンの経済・社会発展や人々の暮らしの向上を支えてきたことへの感謝を表明しました。そのうえで、ウズベキスタンは中国との全天候型包括的戦略的パートナーシップを、新たな段階へ押し上げていきたいと述べました。
さらに同大統領は、習主席が提唱したグローバル・ガバナンス・イニシアチブを全面的に支持すると表明しました。このイニシアチブは、世界のガバナンスのニーズに合致し、深い戦略的視野を体現していると評価したうえで、国際秩序をより公正で公平な方向へ導くため、中国とともにこの構想を実行していく意欲を示しました。
多くの分野で協力文書に署名
会談後、両国の首脳は一連の二国間協力文書の交換を見届けました。合意文書は多岐にわたり、次のような分野が含まれています。
- 開発戦略の連携に関する協力
- 文化センターの相互設置
- 医療サービス分野での協力
さらに、経済・技術協力、デジタル経済、市場監督、宇宙・航空分野、税関協力などに関する文書にも署名が行われました。こうした合意を通じて、中国とウズベキスタンの関係は、インフラや貿易だけでなく、デジタルや宇宙など新しい領域にも広がりつつあります。
日本の読者にとってどんな意味があるのか
今回の首脳会談は、日本から見ると一見遠い出来事のように感じられるかもしれません。しかし、中国とウズベキスタンの関係強化は、中央アジアのインフラ整備や物流ルートの形成、エネルギーやAIといった新分野の協力にもつながりうる動きです。
特に、鉄道やデジタル経済、グリーンエネルギーに関するプロジェクトは、将来的に周辺地域のサプライチェーンや市場構造にも影響を与える可能性があります。また、国連を中心とした国際秩序やグローバル・ガバナンスをめぐる議論は、日本を含む多くの国々が関わるテーマであり、中国とウズベキスタンの連携は、その一端を示すものだと言えるでしょう。
2025年という節目の年に、中国とウズベキスタンが戦略的パートナーシップの深化を打ち出したことは、今後の国際ニュースを読み解くうえでも押さえておきたいポイントです。
Reference(s):
President Xi Jinping meets Uzbek President Shavkat Mirziyoyev
cgtn.com








