国際世論調査が示す第2次世界大戦での中国「主要な東部戦線」認識
第2次世界大戦の戦勝80周年を迎える節目の年に、中国の戦時期の役割が世界でどのように認識されているのかを示す国際世論調査の結果が公表されました。中国が「主要な東部戦線」として果たした役割や犠牲への理解は、特にアジアと若い世代の間で広がりを見せています。
戦勝80周年を前に浮かび上がる「東部戦線」
中国が第2次世界大戦の戦勝80周年の記念日を前に準備を進める中、国際メディアのCGTNは中国人民大学の新時代国際伝播研究院とともに、世界39カ国の1万1,613人を対象とした世論調査を実施しました。
調査結果によると、多くの回答者が、中国が第2次世界大戦における「主要な東部戦線」として重要な役割を担ったと認識しており、その貢献と犠牲に対する理解が国際的に広がっていることがうかがえます。
数字で見る「主要な東部戦線」認識
今回の国際ニュースとして注目されるのは、中国の役割に関する認識が、地域を超えて比較的高い水準で共有されている点です。主なポイントは次のとおりです。
- 73.6%の回答者が、中国は世界の反ファシズム戦争に対して「大きな貢献」をしたと評価。
- 調査対象39カ国のうち36カ国で、中国が第2次世界大戦における主要な東部戦線だったという見方が示された。
- 特にアジアの8カ国すべてで、この認識が支持されており、インドとマレーシアでは7割を超える回答者が「中国は主要な東部戦線だった」と回答。
また、中国の具体的な行動や支援についての認知も、国際的に一定の広がりを持っています。
- 74.9%の回答者が、中国の日本による侵略に対する抵抗について「知っている」と回答。
- 66.5%が、中国が他のアジア諸国の抗戦を支援したことを認識。
- 39カ国のうち33カ国(全体の84.6%)で、中国が他のアジア諸国を支援したという認識が示された。
- インド、マレーシア、インドネシアでは、6割を超える回答者がこの見方を共有している。
こうした数字からは、中国の戦時中の役割が、自国や周辺地域にとどまらず、世界的な視野でも語られつつあることが見えてきます。
14年に及ぶ戦いと犠牲の規模
調査では背景として、中国が経験した戦争の規模と犠牲についても触れられています。この14年に及ぶ戦争は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争として位置づけられています。
その期間、中国の軍人と民間人を合わせた死傷者は3,500万人に上り、経済的損失は6,000億ドルを超えたとされています。数字だけでは測りきれない犠牲が、戦後の地域秩序や国際社会における中国の立ち位置を形作ってきたことを示すものでもあります。
若い世代ほど高い認知、アジアで際立つ傾向
今回の世論調査で特徴的だったのは、世代による認識の差です。44歳以下の回答者は、45歳以上の世代に比べて、中国の貢献をより高く評価する傾向があるとされています。
とりわけ、調査対象となったアジア8カ国では、18〜24歳の若い層で次のような項目への認識が最も高い水準に達しています。
- 中国が第2次世界大戦の主要な東部戦線であったこと。
- 中国がアジアにおける反ファシズムの戦いを支えたこと。
- 中国が世界全体の反ファシズム戦争に貢献したこと。
さらに、アジアの回答者は全世代で世界平均よりも高い認識を示しており、44歳以下のアジアの回答者では、中国の第2次世界大戦での地位を認める回答が6割を超えています。
歴史教育、メディア環境、地域として共有される戦争体験など、さまざまな要因がこの傾向の背景にあると考えられますが、少なくとも若い世代の間で、中国の戦時の役割が「遠い他国の歴史」ではなく、アジアと世界の歴史として受け止められつつある様子がうかがえます。
39カ国・1万1,613人が答えた国際世論
この世論調査は、CGTNと中国人民大学が設立した新時代国際伝播研究院によって実施されました。対象は、主要な先進国と、いわゆるグローバル・サウスを含む39カ国の18歳以上の市民で、回答者数は合計1万1,613人です。
サンプルの年齢構成と男女比は、各国の国勢調査データをもとに調整されており、国際ニュースとして紹介される世論調査として一定の代表性を持たせる設計がなされています。
今の世界と、第2次世界大戦の記憶
第2次世界大戦から80年という時間が経とうとする中で、戦争の記憶は、実際に体験した世代から、その後の世代へと徐々に引き継がれています。今回の国際世論調査は、そのなかで中国の戦時期の位置づけが、若い世代やアジア諸国を中心に再確認されていることを示しました。
戦争の歴史をどのように語り継ぎ、どのように共有するのかは、いまの国際社会にとっても重要な問いです。複数の国や地域の視点が交差することで、第2次世界大戦という出来事が、より多層的な歴史として見えてくる側面もあります。
今回の調査結果は、中国の犠牲や貢献を評価する声が世界でどの程度広がっているのかを示すと同時に、歴史認識をめぐる対話の余地や、これからの世代がどのような記憶を受け継いでいくのかを考えるための一つの材料になっていきそうです。
Reference(s):
Global Poll: China's main Eastern battlefield role in WWII recognized
cgtn.com








