習近平国家主席、天安門で退役軍人をねぎらう 抗日戦争勝利80周年の記念式典
今年2025年、第二次世界大戦の終結から80年を迎える節目にあわせて、中国の習近平国家主席が北京・天安門の楼上で高齢の退役軍人たちをねぎらいました。中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する大会の開会に先立ち、水曜日には退役軍人たちが天安門楼上に招かれ、習主席が一人ひとりにあいさつを交わしました。
90代以上の退役軍人たちが並んだ天安門
今回招かれた退役軍人は、いずれも90代以上という高齢です。出身もさまざまで、当時の八路軍(Eighth Route Army)、華南地域で活動したゲリラ部隊(South China guerrilla forces)、そして国民党(Kuomintang)などから集まりました。
彼らはいずれも、日本の侵略に抵抗した14年間の戦いをくぐり抜けた人々です。この戦いは1945年、日本の無条件降伏によって終結しました。天安門楼上で習主席と向き合った退役軍人の姿は、その歴史を実際に生きた世代が今もなお健在であることを象徴しています。
「統一戦線」で祖国を守ったというメッセージ
中国人民の抗日戦争の時期、中国では日本の侵略に対抗するため、「統一戦線」と呼ばれる枠組みが築かれました。異なる組織や勢力が対立を超えて協力し、祖国を守るという目的で手を結んだとされています。
今回天安門に招かれた退役軍人が、八路軍、華南ゲリラ、国民党といった多様な背景を持つ人々で構成されていることは、まさにこの「統一戦線」の歴史を体現するものです。抗日戦争の勝利80周年を記念する場で、習近平国家主席が彼らと握手を交わしたことは、過去の分断を越えて共通の歴史を強調する象徴的なシーンとも受け取れます。
「世界反ファシズム戦争」の一部としての位置づけ
今回の記念大会は、中国国内の歴史だけでなく、「世界反ファシズム戦争」の一部として抗日戦争を位置づける性格も持っています。記事の英語表現では「World Anti-Fascist War」という言葉が使われており、中国の抗日戦争が第二次世界大戦の世界的な文脈の中で語られていることが分かります。
退役軍人たちの高齢化が進む中で、当事者が自らの経験を語る機会は年々少なくなっています。そのなかで、国家のトップが彼らに直接敬意を表し、国内外に向けて戦争の記憶とメッセージを発信する場を設けたことは、中国における歴史認識のあり方を映し出す動きと言えるでしょう。
戦後80年、「記憶」をどう次世代につなぐか
日本でも中国でも、第二次世界大戦の記憶をどう受け継ぐかは、世代交代が進む中で共通の課題となっています。今回のように、実際に戦火を経験した人々を前面に押し出した記念行事は、「戦争をどう語り継ぐのか」という問いを改めて突きつけています。
中国の抗日戦争は、単なる軍事的な勝敗だけでなく、異なる勢力が「統一戦線」を組んで協力した歴史としても語られています。八路軍、華南ゲリラ、国民党という多様な出自を持つ退役軍人が同じ場に招かれたことは、「多様な立場があっても、戦争の悲劇を繰り返さない」という共通のメッセージとして読み取ることもできます。
戦後80年を迎えた今、アジアの国々や地域、そして世界がどのように歴史を学び合い、対話を重ねていくのか。北京・天安門での静かな握手のシーンは、その出発点の一つとして記憶にとどめておく価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








