中国のVデーパレード開幕 党旗・国旗・軍旗が北京の空を彩る video poster
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年を迎えた今年、中国・北京の天安門広場で行われたVデーパレードが、ヘリコプターによる「空の旗衛隊」で華やかに幕を開けました。この国際ニュースの象徴する意味を、日本語で分かりやすく整理します。
空から始まったVデーパレード
パレード当日の水曜日、天安門広場上空にまず姿を現したのは、3機のヘリコプターでした。機体からは、中国共産党の旗、中華人民共和国の国旗、中国人民解放軍の旗が大きく掲げられ、広場一帯をゆっくりと旋回するように飛行しました。
党旗・国旗・軍旗という3つの旗は、それぞれ中国の政治・国家・軍を象徴する存在です。行進の先頭を切る「空の旗衛隊」として、式典全体の重みと一体感を強く印象づける演出となりました。
「80」をかたどる26機のヘリ編隊
この旗衛隊のあとには、さらに26機のヘリコプターが続き、巨大な「8」と「0」の数字を空に描きました。北京市中心部の上空に浮かび上がる「80」の数字は、地上からも映像中継でも一目で分かる強いメッセージです。
この「80」は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を意味します。中国国内では、次の二つの歴史的勝利を重ねて記念する形が強調されました。
- 中国人民の抗日戦争の勝利
- 世界反ファシズム戦争の勝利
数字の隊形そのものを大きなシンボルとして見せることで、歴史の節目を視覚的に共有させる狙いがうかがえます。
「正義・平和・人民」という三つのメッセージ
旗衛隊の最後には、さらに3機のヘリコプターが飛来し、それぞれに英語のスローガンを掲げた横断幕を搭載していました。掲げられた言葉は、次の3つです。
- Justice will prevail(正義は必ず勝つ)
- Peace will prevail(平和は必ず実現する)
- The people will prevail(人民は必ず勝利する)
いずれも、戦争の記憶と今後の世界へのメッセージを重ねた内容です。「正義」「平和」「人民」というキーワードを並べることで、歴史を振り返ると同時に、未来志向の価値観を強調する構成になっていると言えます。
Vデーとは何を記念する日か
中国で言われるVデー(Victory Day)は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争における勝利を記念する日です。80周年という大きな節目にあわせて行われた今回のパレードでは、軍事的な行進だけでなく、歴史を記憶し、平和を重んじるメッセージが前面に出されました。
空から始まる演出は、地上の観閲席だけでなく、テレビやインターネットを通じて視聴する人びとにも分かりやすいシンボルとして届きます。特にヘリコプター編隊による数字やスローガンの表示は、SNSなどで共有されやすい「ビジュアルなニュース」としても機能します。
日本からこのパレードをどう見るか
日本に暮らす私たちにとって、中国のVデーパレードは、東アジアの近現代史と向き合う一つのきっかけでもあります。軍事パレードという形式そのものへの評価はさまざまですが、今回の演出には、次のような問いが込められているようにも映ります。
- 正義:国際社会で何が「正義」とされるのか
- 平和:抑止力や軍事的プレゼンスと、平和のメッセージはどう共存しうるのか
- 人民:国家的な式典は、人びとの生活や記憶とどのように結びついているのか
こうした問いを意識することで、単なる「派手なパレード映像」としてではなく、歴史認識や平和観をめぐる隣国のメッセージとして受け止めることができます。
80年の記憶とこれからの80年
80年という時間は、一人ひとりの人生をはるかに超える長さでありながら、歴史として見ればまだ「生々しい記憶」が残るスパンでもあります。北京の空を彩ったヘリコプター編隊は、その80年を象徴的に振り返ると同時に、これからの80年をどうつくっていくのかを静かに問いかけているようにも見えます。
戦争と平和、記憶と継承、正義と人びとの生活。中国のVデーパレードで掲げられたメッセージを、東アジアの一員としてどのように受け止めるのか。私たち自身の歴史観や平和観を更新する契機として、この国際ニュースを位置づけてみることが求められています。
Reference(s):
cgtn.com







