中国Vデーパレードで情報戦・無人戦闘部隊を公開 video poster
北京・天安門広場で行われたVデーの軍事パレードで、中国軍の情報戦部隊と無人戦闘部隊が閲兵を受けました。サイバー戦や電子戦に焦点を当てた装備が公開され、戦争のかたちがデジタル空間へと広がっている現実を映し出しました。
Vデーパレードと「勝利80周年」の意味
今回のパレードは、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念して実施されました。天安門広場を舞台にした行進には、従来の兵器だけでなく、情報戦や無人戦闘といった新しい領域を担う部隊が加わったことが特徴です。
情報戦部隊と無人戦闘グループが公式行事の場で公開されたことは、中国軍がサイバー空間や無人システムを重視し、軍の近代化を進めていることを国内外に示すものだと受け止められます。
サイバー戦を支える「情報支援編隊」
パレードでは、サイバー防衛を強化し、あらゆる領域での作戦を支えるために設計されたサイバー戦関連装備が登場しました。情報支援編隊には、次のような車両が含まれています。
- クラウドコンピューティング車両
- デジタルインテリジェンス(デジタル情報分析)車両
- 空と地上を結ぶ空地ネットワーク車両
- 統合情報システム車両
これらの装備は、新しいタイプのサイバーシステムを短時間で構築し、共同作戦を支援できるとされています。言い換えれば、「移動式の情報インフラ」が戦場に直接持ち込まれるイメージです。
クラウドコンピューティング車両は、分散したデータやシステムをまとめて処理するための中枢として機能し、デジタルインテリジェンス車両は、膨大な情報を分析し、指揮官が迅速に判断するための材料を提供します。空地ネットワークと統合情報システムは、空・陸など複数の領域をつなぎ、部隊間の情報共有を支える基盤となります。
電子対抗装備:ネットワークを断ち切る力
今回のパレードでは、電子対抗(電子戦)装備も強調され、5種類の装備が披露されました。これらの装備は、航空・宇宙分野での防衛と対抗措置を担うほか、相手のネットワークを切断したり、「デジタルチェーン」と呼ばれる情報のつながりを断ち切ったりする能力を持つと説明されています。
電子対抗装備とは、通信やレーダーなどの電波・信号に働きかける技術を総称したもので、相手の目や耳となる情報システムを混乱させる役割を果たします。今回示された装備は、単に防御するだけでなく、必要に応じて相手のネットワークそのものに干渉する機能を備えている点が注目されます。
サイバー戦と電子戦が組み合わさることで、戦いは物理的な戦場だけでなく、目に見えない電波とデータの世界にも広がっていきます。パレードでの公開は、こうした新しい戦い方を強く意識していることの表れといえるでしょう。
無人戦闘グループの存在感
情報戦部隊と並び、無人戦闘グループが閲兵対象となったことも重要です。無人戦闘とは、遠隔操作や自律制御を用いる無人機や無人車両などを活用する戦い方を指し、人的被害を抑えつつ継続的な監視や攻撃を行える点が特徴です。
今回のパレードは、無人システムがすでに実験段階を超え、実戦を想定した戦力として整備されつつあることを印象づけました。情報戦装備と無人戦闘グループが同じ編隊として紹介されたことは、情報と無人技術を組み合わせた「ネットワーク化された戦い」が重視されていることを示しています。
なぜ日本の読者にとって重要なのか
中国本土の軍事パレードの動きは、日本を含む周辺地域や世界の安全保障環境にも影響を与えます。とくに今回のテーマである情報戦・サイバー戦・電子戦・無人戦闘は、世界各国が同時に強化している分野でもあります。
- サイバー攻撃や情報操作が現実の社会インフラに影響しうる時代であること
- 無人システムの普及により、戦争のコストやリスクの考え方が変わりつつあること
- デジタル空間での競争が、外交や経済とも結びつきやすいこと
こうした変化の中で、日本やアジアの国々も、自国のサイバー防衛力や重要インフラの保護、情報リテラシーの向上など、幅広い対応を求められています。特定の国を一方的に恐れるのではなく、「デジタル時代の安全保障とは何か」を落ち着いて考えることが重要です。
北京のVデーパレードで示された情報戦と無人戦闘の姿は、軍事技術の話にとどまりません。私たちの生活を支える通信やネットワーク、その安全性をどう守り、どのようなルールで管理していくのかを考えるきっかけにもなります。ニュースをきっかけに、身近なサイバーセキュリティやデジタル社会のあり方について、周囲と対話してみるタイミングかもしれません。
Reference(s):
Information warfare, unmanned combat groups inspected in V-Day parade
cgtn.com








