習近平氏が長安街で閲兵 抗日戦争勝利80周年の軍事パレードを解説 video poster
北京中心部の長安街で、習近平氏が抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する軍事パレードの部隊を閲兵しました。中国本土の軍事力の「今」を象徴する装備が並び、その意味を国内外にどう伝えようとしているのかが注目されています。
長安街で行われた閲兵、何が起きたのか
2025年のある水曜日、中国本土の首都・北京の長安街で、抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する大規模な閲兵式が行われました。中国共産党中央委員会総書記で中国国家主席、中央軍事委員会主席の習近平氏が、自ら車両に乗ってパレードに参加する部隊を視察しました。
長安街は天安門広場を貫く北京のシンボル的な幹線道路です。この場所での閲兵は、中国本土にとって政治的・歴史的な意味を持つセレモニーであり、国内外に向けた重要なメッセージ発信の場でもあります。
45個編隊・梯隊が行進
今回の軍事パレードでは、合計45の編隊と梯隊が閲兵の対象となりました。地上部隊だけでなく、さまざまな部門から精鋭部隊が参加し、規模の大きさを印象づけています。
注目されたのは、パレードで披露された兵器や装備の多くが、一般に対して初めて公開された点です。新たな装備をまとめて公の場に並べることは、軍の近代化や技術水準の向上を示すシグナルとして受け止められます。
「勝利80周年」記念行事の重み
今回の閲兵は、「中国人民の抗日戦争」と「世界反ファシズム戦争」の勝利から80周年を記念する式典の一部として行われました。戦争の記憶をあらためて呼び起こし、犠牲者を追悼するとともに、「歴史を忘れない」というメッセージを強調する目的があります。
同時に、こうした記念行事は、国内の団結を訴え、社会の一体感を高める場としても機能します。習近平氏が前面に立って閲兵を行う姿は、指導部のリーダーシップと軍との結びつきを示す象徴的なシーンといえます。
国内へのメッセージ
国内向けには、次のようなメッセージが込められていると考えられます。
- 苦難の歴史を乗り越えてきたというナショナル・ストーリーの再確認
- 軍の規律と統制が保たれていることのアピール
- 技術革新と軍の近代化が着実に進んでいるという印象づけ
特に、初公開の装備が多く登場したことは、「安全保障環境が変化しても対応できる」という安心感を国内の人々に与える狙いがあると見ることもできます。
国際社会へのシグナル
国際社会にとっても、今回の閲兵は無視できないイベントです。新しい装備を含む45の編隊が整然と長安街を行進する映像は、中国本土の軍事力と組織力を象徴的に伝えます。
一方で、そのメッセージは必ずしも「力の誇示」だけとは限りません。戦争勝利80周年という文脈からは、「平和の重要性」や「多国間協力の必要性」を訴える意図も読み取ることができます。軍事パレードと平和のメッセージが同じ場で語られるという構図は、現代の安全保障を考えるうえでの一つの特徴といえるでしょう。
日本と東アジアにとってのポイント
日本や東アジアの読者にとって、今回のニュースはなぜ重要なのでしょうか。いくつかの視点から整理してみます。
- 歴史認識の現在地を知る手がかり: 抗日戦争と世界反ファシズム戦争の記念行事は、歴史の語られ方や教え方とも深く結びついています。どのような言葉が使われているかに注目することで、中国本土の歴史観の一端が見えてきます。
- 軍事力と技術発展の「見える化」: 初公開の装備を含むパレードは、軍の技術レベルや優先分野を外部にも分かりやすく示します。東アジアの安全保障環境を考えるうえで、こうした「見える化」は一つの重要な情報源です。
- 政治と軍の関係を読み解く材料: 習近平氏が自ら閲兵する姿は、指導部と軍の関係や統治スタイルを象徴的に映し出します。他国の政治構造を理解する際の、具体的な事例としても位置づけられます。
「力」と「記憶」をどう受け止めるか
軍事パレードは、しばしば「力の象徴」として語られますが、今回のように歴史の節目と結びついた行事は、「記憶の政治」という側面もあわせ持ちます。戦争の記憶をどう語り継ぎ、どのような未来像と結びつけるのかは、中国本土だけでなく、周辺の国や地域にとっても避けて通れないテーマです。
私たちにできるのは、映像や写真の迫力だけに目を奪われるのではなく、そこに込められた歴史観や安全保障観を、一歩引いた視点から丁寧に読み解いていくことです。今回の長安街での閲兵をきっかけに、戦争と平和、力と対話について、あらためて自分なりの問いを立ててみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








