中国首相とパキスタン首相が会談 CPEC高度版と安全保障協力を確認
中国とパキスタン首脳が北京で会談 経済回廊の「高度版」を推進へ
中国の李強首相は木曜日、北京を訪れているパキスタンのシャバズ・シャリフ首相と会談しました。両首脳は、中国パキスタン経済回廊(CPEC)の「高度版」構築を進めることで一致し、経済とインフラ、テロ対策まで幅広い分野で協力を強化する姿勢を示しました。
会談の舞台はSCO首脳会議と抗日戦争勝利80周年行事
シャリフ首相は、今年中国で開かれている上海協力機構(SCO)首脳会議2025への出席と、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利80周年を記念する行事への参加のため、北京を訪れています。今回の会談は、その訪中日程の一環として行われました。
CPEC「高度版」構築でインフラ連結を加速
李首相は会談で、中国がパキスタンと共に中国パキスタン経済回廊(CPEC)の「アップグレード版」を積極的に築いていく用意があると表明しました。CPECは両国を結ぶインフラと経済協力の中核的な枠組みです。
中国側は、次のような大型プロジェクトを進めていく考えを示しました。
- 港湾の整備・拡張など海上輸送ルートの強化
- 高速道路を含む道路網の拡充
- 鉄道網の整備による物流の効率化
こうしたインフラ連結を通じて、互いの利益を高める「ウィンウィン」の成果を追求する方針です。
中国市場の開放とパキスタン産品の輸出拡大
李首相は、中国がパキスタンから高品質な製品の輸入を拡大する用意があると述べました。その上で、パキスタン側が中国国際輸入博覧会などのプラットフォームを積極的に活用することを歓迎する姿勢を示しました。
これにより、農産品や工業製品など、パキスタン産品が中国市場で存在感を高めることが期待されます。
テロ対策と安全保障での協力強化
安全保障分野も今回の会談の重要テーマでした。李首相は、中国がパキスタンのテロ対策能力の向上を支援する用意があると表明しました。また、パキスタン国内における中国の人員・プロジェクト・機関の安全を、双方が協力して確保したいとの考えを示しました。
シャリフ首相は、パキスタンがあらゆる形態のテロと断固として闘い続けると強調しました。その上で、中国との多国間協調を強め、地域の平和と安定、そして国際的な公正と正義を守る意思を示しました。
「一つの中国」原則への支持を改めて表明
シャリフ首相は、パキスタンが「一つの中国」原則を堅持していると述べ、中国の台湾問題、西蔵(Xizang)、新疆、香港に関する立場を断固として支持すると表明しました。中国側にとっては、核心的利益に関わる問題での明確な支持を再確認した形です。
多分野の協力文書と2025〜2029年の行動計画
シャリフ首相の今回の訪中に合わせて、両国は複数の協力文書に署名しました。対象分野は次のように多岐にわたります。
- 中国パキスタン経済回廊(CPEC)
- 経済・貿易
- 人工知能(AI)
- 科学技術
- 農業
- 文化遺産の保護
- 司法分野
- 人々の生活向上(民生)
さらに両国は、「新時代」におけるより緊密な中国パキスタン共同体を育てることを目指し、2025〜2029年の行動計画も共同で発表しました。経済からテック、文化交流まで、今後数年間の協力の道筋を示すものです。
地域秩序と日本への含意
今回の会談と合意は、中国とパキスタンの二国間関係を一段と深めるだけでなく、インフラ連結やテロ対策を通じて地域秩序にも影響を与え得る動きです。インフラ、AI、農業といった実務的な分野の協力が並行して進む点も特徴的です。
アジアの安定や経済圏の再構築を考えるうえで、中国とパキスタンの連携の行方は、日本を含む周辺諸国や企業にとっても無視できないテーマになりつつあります。今後、CPEC「高度版」がどのように具体化し、地域の物流や投資の流れをどう変えていくのかが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








