中国・雲南省の村でサボテン栽培が農村を変える 東南アジア輸出も始動
中国南西部の雲南省にある荘子田(Zhuangzitian)村が、サボテン栽培をテコに農村の姿を大きく変えつつあります。今年8月には食用サボテンの葉20トンが東南アジア諸国に輸出され、中国として初めての食用サボテン輸出となりました。農村振興と国際ビジネスが交わるこの動きを、日本語で整理してみます。
産業の少なかった村がサボテン拠点に
かつて荘子田村は、産業が少なく、住民の生活手段も限られていました。しかし現在では、サボテン栽培の産出額が全国で最も高い水準となり、中国有数のサボテン産地として知られるまでになっています。
村では食用として利用できるサボテンの葉が本格的に栽培されており、国内向けの販売だけでなく、加工や出荷にかかわる雇用も生まれているとみられます。気候や土地条件を生かしつつ、新しい作物に賭けたことが、地域の変化を後押しした形です。
今年8月、食用サボテン20トンを東南アジアへ
2025年8月、荘子田村から約20トンの食用サボテンの葉が東南アジア諸国に向けて輸出されました。これは中国から海外への食用サボテン輸出としては初めてのケースとされています。
出荷されたサボテンの葉は、現地で野菜として調理されたり、健康志向の食品や飲料の原料として使われたりする可能性があります。東南アジアは気候的にもサボテンの栽培に適した地域が多く、食文化の多様性も高いことから、新しい食品への受け入れ余地がある市場だと考えられます。
サボテンがもたらす農村振興のメリット
荘子田村の事例は、サボテン栽培が農村にもたらしうる複数のメリットを示しています。
- 乾燥に比較的強く、やせた土地でも育てやすい作物であること
- 葉や果実を食品、健康志向の加工品などに展開でき、高付加価値化が期待できること
- 栽培だけでなく、収穫、選別、加工、物流などで多様な仕事が生まれること
気候変動や水資源の制約が意識される中、少ない水でも育つ作物を活用することは、農村のリスク分散にもつながります。特に、中国南西部のように地形が複雑で農地条件が必ずしも恵まれていない地域では、こうした作物の導入が一つの選択肢になりえます。
東南アジアとのつながりが意味するもの
食用サボテンの初輸出は、中国と東南アジアとの間で、農産物や食品の新しい取引が広がる可能性を示しています。既存の主力農産物だけでなく、ニッチだが付加価値の高い作物が、地域どうしを結びつける媒体になりつつあるとも言えます。
同時に、輸出を視野に入れることで、生産の安全管理や品質基準の整備が求められます。これは、農村の産業基盤を強くすることにもつながるため、単なる輸出増ではなく、地域全体の底上げという視点も重要になってきます。
日本の読者への問いかけ
中国南西部の一村がサボテン栽培で変わりつつある姿は、日本の地方にとっても示唆に富んでいます。人口減少や高齢化に直面する中で、地域の自然条件や強みを生かし、他にはない作物やサービスを育てていく発想は、どの国の農村にも共通する課題だからです。
私たちがこのニュースから考えられるのは、次のような問いかもしれません。自分たちの地域なら、どのような資源や作物に光を当てられるのか。海外とのつながりを視野に入れつつ、地域の生活をどう豊かにしていくのか。荘子田村のサボテンは、その議論を始めるための一つのヒントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








